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カテゴリ:シンジ育成プレイ記
  • 第24話    新世界より
    [ 2007-08-31 00:00 ]
  • 第23話    目指せ優勝!合唱コンクール
    [ 2007-08-30 00:00 ]
  • 第22話    嬉し恥ずかし、参観日②
    [ 2007-08-29 00:00 ]
  • 第22話    嬉し恥ずかし、参観日
    [ 2007-08-28 00:00 ]
  • 第21話    見知らぬ、平穏③
    [ 2007-08-27 00:00 ]
  • 第21話    見知らぬ、平穏②
    [ 2007-08-26 00:00 ]
  • 第21話    見知らぬ、平穏①
    [ 2007-08-25 00:00 ]
  • EpisodeⅩⅩ 守りたいから
    [ 2007-08-24 00:00 ]
  • EpisodeⅩⅨ 戦う理由②
    [ 2007-08-23 00:00 ]
  • EpisodeⅩⅨ 戦う理由①
    [ 2007-08-22 00:00 ]
第24話    新世界より
第23話    目指せ優勝!合唱コンクール

第24話 世界より


「…この時代の特徴は、貨幣が定着したことで、物の流通と
商工業が一気に発達した事。それによって、庶民が力を得たことね」





「特に馬借と酒屋は、高利貸しとして
経済的な力を振るうようになったのよ」


葛城ミサト上による、歴史の授業。
教師生活も板についてきたのか、ミサトの授業は中々サマになっている。


「お金が流通すると、どうしてそんなに社会が変わるんですか?」


「いいところに気がついたわね。たとえば…」

洞木ヒカリの質問から始まり、例をケンスケのカメラ好きでつなげ始めるミサト。
たとえば、お金のない世界で、カメラをほしいと思った場合。
材料入手の物々交換の限界と非効率性、遠方にほしい物があった場合。
そこから需要が生まれる、運送屋の存在。

生徒を上手く例え話に生かし、生徒の興味を引きつつ、生徒自身に気付かせる。
ミサトの授業は楽しめる内容の上、とても判り易い。
勉強嫌いのトウジすらも積極的に授業に参加している点からしても、
ミサト先生の授業は人気教科であることは想像に易いといえるだろう。

だが、


「うーん…ここは、こうじゃないよなぁ…」

皆が積極的な発言で授業に参加している中、シンジだけは、ミサトの授業が上の空。
ぶつぶつとひとりごとを繰り返しながら、何かを綴っている。


「はい、先生。運送屋さんに頼めばいいと思います」


「ついでに買ってきてもらえば、もっと楽だし」


「そう、そこよ!経済が発展するには、その運送屋……
つまり物流を担当するものが必要なワケ!」



「待てよ?
ホントにそれで、全部うまくいくのかな?」


さらに授業が続く中でも、シンジの内職は止まらない。
むしろ、周囲の様子がまるで目に入らないほど、没頭している。



「そうだよな。ここに入れとかないと、伏線が生きてこないもん」


「モノを仕入れてきて売るという事には、
あいだに信用が出来るもの、つまりお金が必要なワケよ。
そうすると、中間で物の運送に携わる、この時代なら『馬借』が、
運送費で設けるようになる。」



「だから高利貸しは、馬借が多いんですね!」


「そういうこと!酒屋の方は…その、なんていうか
アルコールだからってことね」



「人類史の黎明からある職業、いや、むしろ業というべきか。
お酒がもたらす効果は絶大だ」


「カヲル君は、いつでも自分に酔ってるから、
アルコールなんか、いらないもんね」



「霧島マナ君……どうやら僕ときみは、
いつか決着をつけなければならないようだね」


「望むところよ!」


「なに言ってるんだか……」


「だがしばし、その決着はオアズケにするよ。
…僕にはほかに、気にかかることがある」

そういってカヲルが目を向けた方向には…
うんうんと唸って何かを綴り続ける、シンジの姿が有った。


「ここは……うーん……どうしよっかなー」


「ガラスのように繊細な心の主人公が、耐え切れずに壊れていくというのは
滅びの美学を体現して、ワビサビを感じる」


「カヲル君……でもそれは、結局いつまでも甘えてるだけで、
成長してない気がするんだ」



「そうなると、熱血路線かい?
僕もキライなほうでは、ないがね」


「うーん。さっきから考えてたんだけどね」

カヲルの相槌に、さらに相談を進めようとした、そのとき



「碇シンジ君、渚カヲル君!」

厳しい表情のミサトに見つかり、今まで何かを綴っていた
手元のノートを取られてしまうシンジ。


「しまった!今は授業中。
僕のシンジ君を守るためにも、もう少し気をつけるべきだったか」


「こんな美人教師が、これだけわかりやすい授業をしてるってぇのに
内職なんざ百年はやいっっ!!これは没収します!」



「ああ、そんなぁ!」

アスカが横で恥ずかしいんだから…と頭を抱える中、
必死にノートを返してください!と懇願するシンジ。

だが怒り収まらないミサトは、おっとこのこでしょ!!我慢なさい!と一蹴し、
放課後、職員室への出頭を命じるのだった。



「トホホ……
せっかく、クライマックスまで書けたのに」


情けない顔で、うずくまるシンジの姿の後、
今回のタイトル…「新世界より」が表示された。





ーーーー放課後。

職員室へ出頭したシンジは、ミサトのお説教を受けていた。



「まったく…授業も聞かないで、こんなものを書いてるなんて」


「すみません……」


「『新世紀エヴァンゲリオン』ねえ。…舌かみそう」


「シンジ君、これは、きみひとりで考えたのかい?」


「ほとんどは僕です。
ただ話につまった時、カヲル君に相談したりはしましたけど」



「最近の中学生は、いろいろ考えるんだな。
ユニークで、いいんじゃないか?」

そういって、体育教師 加持リョウジは感嘆の声を上げた。

シンジが没収されたのは、シンジが構想し、書き上げた一冊の小説だった。
タイトルはそのまま『新世紀エヴァンゲリオン』。


「ところで、シンジ君?
この作品を書こうと思ったきっかけは、なんだったんだい?」


「えと……聖書とか、興味あって、それなりに読んでたんですけど…」

人工進化研究所所長、碇ゲンドウの影響。
家にはなぜかその手の資料や絵画が多くあり、自然と興味を持ったシンジ。

だが、聖書やエデン、神の国に今ひとつピンとこなかったシンジだったが、
日本神話を切欠に、それらを理解し始める。
父の研究も少し判ったような気がした時、気がついたら、この小説を書き始めていたという。


「はー。シンちゃんって、難しいこと考えてるのねえ」


「授業は頭に入らなくて、当然だな。
いやいや、恐れ入った」


「なによそれ。話が全然違うでしょ」


「そう馬鹿にしたものでもないわ。
なかなか良く書けてると思う。それにしても、この部分はねぇ…」


その会話に、科学的見地から物語の矛盾点を付け加える赤木リツコ。
中学生に対し、LCLや電気エネルギー学などのマジ指摘を行うリツコに対し、
フィクションですから、とアッサリ受け流すシンジ。


「ところでシンちゃん…この主人公、
なんでこんなに根暗なわけ?」



「いいじゃないですか。
僕が僕の小説で、どんな主人公を登場させたって」



「こんな子を教え子に持ったら、イタタタタって感じね。
それに私、ここまで屈折してる?」



「え?作戦部長のことですか?
別にミサト先生がモデルだなんて言ってませんよ」



「言わなくったって、すぐわかるっつうの!」


「あなたなんて、まだマシじゃない。
私なんて、あーんなことや、こーんなことを」



「俺はけっこう、不満はないな」


「僕も、別に文句はないですね」


「ピッタリですもんね。実際(ミサト)先生の言う事なら、
なんでも聞いちゃいそうだし」


「そ、そんなことはないぞぉ!
なな、何言ってるんだ、青葉先生は!」


「日向先生、顔が赤いですよ」

キャンパス編になってから、まったく姿を見せなかった日向マコト以下、
NERVオペレーター陣だが、実はひっそり教師になっていた。
そして彼らのキャンパス編での
出番はこれで終了です。

ご苦労様でした。



「どうでもいいけど、どうして先生がた全員で回し読みしてるんですか!」


「そうねぇ…何だか妙に、馴染みがあるのよ」

自分達がモデルとして登場している事が、不思議なほど、しっくりくる、シンジの小説。
結局、職員室の教師全員が読み終えるまで、暫く預かられる事となった。


「授業をサボって書いてた罰よ!」

未完成なうえ、回し読みされて恥ずかしいシンジに丁度良い罰となり、
ミサトはちょっとご機嫌だった。

第24話    新世界より②
by 1601109 | 2007-08-31 00:00 | シンジ育成プレイ記
第23話    目指せ優勝!合唱コンクール
第22話    嬉し恥ずかし、参観日②

第23話 指せ優勝!合唱コンクール



冒頭ーーーミサトとシンジが並んで、家の玄関に立つ。
画面上にはミサトとシンジの二人のみだが、その後ろには、
渚カヲルとジャージと眼鏡の何時もの面子も揃っている。

…玄関のチャイムの上には、「惣流」の表札が。



「やっほー。お呼ばれに来たわよん!」


「あ、ミサト先生……」

「って、なんで男どもが来るのよ!?」



「そんな言い方、ないだろ!」


「今日は女の子のお祭りなの!
何が目的なの?イヤラシイわね!



「おやおや。随分とご機嫌斜め、みたいだね」


いつものことや!あんまり気にせんで、エエて。」


「たぶん、碇がいるから、よけいにトゲトゲしてるんだよ」


「僕のせいじゃないよ…」

最近のアスカは、シンジに対して必要以上にきつく当る事が多くなった。
幼馴染として慣れ親しんだ間柄の二人に、次々と割って入る霧島マナと綾波レイ。
そして必要以上に男の色気をかもし出す、渚カヲル。



突然のライバル(カヲルも含む)出現に対する苛立ちと、素直になれない性分からか、
つい矛先をシンジに向けてしまうアスカ。

…最も、そんなアスカの心情を読み取れないのは、結局シンジだけなのだが。



「…アスカ?誰が来たの?」


「あっ、碇君」


「ホント、シンジ君だ!
ほら、上がって上がって!」


他の男どもには目もくれず、シンジを中へと引っ張り込む霧島さん。
あたしの家よ!と怒声を上げるアスカを尻目に、シンジは早々に家の中へ。
ちょっとまちなさいよ!と怒鳴りながら、アスカ、綾波さんも室内へと駆け込んでいく。



「あ……鈴原も、あがったら?」


「せやな。シンジも行ってもうたし。」


ついでに、相田君と、渚君も」


家の主であるアスカが居ないので、代わりについでだからと二人を誘う洞木さん。
どうして女子ってのは本命以外にはこうもそっけないのだろうか。



「……そうだね。ついでだね」

ぽつりとつぶやいた渚カヲルのつぶやきは、そのキャラの持ち味とは
全く別の意味で寂しさをかもし出していた。

ーーー3月3日。今日は嬉しいひなまつり。





惣流家で開かれた、ひなまつりパーティーで盛り上がる一同。

ミサトを筆頭に、へべれけの女性陣。
四人は、完全に出来上がっている。

そんな横で、そっとトウジの肩に手を添えて微笑む
違う意味で出来上がっている洞木ヒカリと、鈴原トウジ。



後ろには、電波がかった表情の渚カヲルと、その後ろに隠れる
一番コマ割の小さい主人公。

…そしてミサトの酌をさせられているケンスケ。



「碇君、もっと飲みましょうよ」


「シンジ!あんたアタシの酌が受けられないってえの!?」


「あはははは。シンジ君、顔真っ赤!おもしろーい!
ちゅーして、あげるね!」


酒の勢いに飲まれて、三者三様ながらも積極的な行為に出るヒロイン三人。
絡まれて慌てふためくシンジの横では



「…イインチョ、離れてんか。暑苦しいわ」


「今日くらい、いいじゃない。女の子のお祭りなんだから。
…いつも私、我慢してるのよ……


ヒロイン以上に積極的な、洞木ヒカリの姿が。
セリフの1つ1つが必要以上に艶っぽい。
あと、女の子のお祭りと、この行為は関係ない。


「せやかて、イインチョ…
呑んでもないのに、酔ったフリとかやめてんか…」


「え?やだやだやだ。知ってたの鈴原!?
どーしよー、お嫁に行けないー!



「………」




「あぁかりぃをつけまぁしょ、ぼんぼりにぃぃ~」

宴もたけなわ、酔った勢いでひな祭りの歌を歌う女性陣だが、
全員が全員、絶望的に音程が外れている。


「んー!誰だ、へたくそ!
これじゃ合唱コンクールで、予選落ちだぞ。もっと真面目にやれ~~!」



「コンクール?」


「そーよぉ!……うぃっく……クラス別で競ってぇ、
全校1位を決めるのぉ!」



おっしゃー!聞いたか諸君!
我がクラスはコンクールに出場し、そして絶対に優勝する!



今回の話は、そんな流れか。


そんなワケで、酒の勢いも手伝って、テンションの上がる女性陣一同。


「う た 、か…。悪くないね。」

テンション高い女子の横で、素面で引いている男性陣の中、渚カヲルもやる気を見せる。
ミサトの毎日練習命令も下り、かくして合唱コンクールへの特訓の幕は開くのだった。



育成開始!



…といっても、キャンパス編に入ってからは、午前中は全て学校。
今回は、授業スケジュールの一部が期末テストとなっており、
後半のスケジュールを少し組むだけだ。

しかも実は学校連日はストレスが結構たまる為、その解消に休養をはさむと
もうたいして組めるスケジュールもない。キャンパス編に入ってからは、ほとんどゲームは全自動だ。
まぁ、もう色ボケ解消は不可能なため、どうスケジュールを組もうがパラメータは上がらないのだが…



そんなたいして組める余裕のない午後のスケジュールで
合唱コンクールのスケジュールを組めとは、ヽ(`Д´)ノ鬼か!

しょうがないので、







狂ったようにフライドポテトを食べさせて、ストレスを消費。
米国のファーストフードは体に悪いうえに中毒性があるらしいが、
シンジが美少年とは言い難い体形にならないか、些か心配だ。




期末テストをさっくりと片付けて、早速始まる、合唱練習。


「まずは私がお手本を見せてあげるわ!
みんな、耳の穴かっぽじって、よーく聴いてなさいよ!」








案の定、ジャイアンだったミサトの歌声に顔をしかめる一同。
綾波さんはマジ切れだ。


「耳が痛い」


「これは、歌に対する冒涜行為だね」

皆から総スカンを喰らってイジけるミサトを尻目に、お手本は
今回大活躍の洞木ヒカリ嬢が務める事となった。



必要以上に美形なトウジと、洞木ヒカリ嬢のツーショットが映える。
ついでの二人は、当然の様に姿が見えないというのに……
多分、洞木さん→の切れてる部分がケンスケ。



ホワイトデーは当然の様にスルーして、

3月16日 土曜日

ーーー合唱コンクール、当日。




「うー…緊張するぅ……」

険しい表情で、本編ではありえない反応を見せる綾波さん。
あれだけ練習したんだから、大丈夫よ!と綾波さんを励ます霧島さんの横で


「シンジ君……きみも緊張しているのかい?
僕がその不安を、取り除いてあげるよ


「え、カヲル君!?
やめてよ、こんなところで


渚カヲルが、シンジにセクハラ行為を行っていた。


前のクラスの合唱が終わり、ステージの袖から拍手が聞こえる。


「…いよいよ、次ね」


「がんばろな、委員長!」


「…うん!」

トウジの声に、元気に返事する洞木さん。気合も充分。
かくして、出陣前に約1名メインヒロインは出番を与えられぬまま、一同はステージへ!






合唱コンクールの晴れのステージを
使いまわしの絵で迎えるシンジ達。
洞木ヒカリは気合充分だが、作り手側の気合は微妙だ。



「お……イイ感じだな」

キャンパス編では、とんと出番の少なかった体育教師、加持リョウジ。



「ほう、うまく歌えてますね」

総じて、出番の少なかった人工進化研究所副所長、冬月。



「けっこう、順位期待できそうね」

出番はそこそこだが、どうにも印象の薄い保険医、赤城リツコ。

なんというか、観客になるべくして登場した三人といった感じである。



「成績が発表されますよ」


「最優秀賞…つまり、1位ってことね」


そして、肝心の歌とかは特に流れる訳でもなく、
観客のやり取りだけで
1位を取ったことが発表された。


やはり、作り手側の気合は微妙だ。





「よっしゃーっ!でかしたわよ、みんな!!」



ミサトの喜ぶ声と共に、恐らく何の役にも立ちそうにない記念アイテムを入手した。
前フリはアレだけ無駄に力が入っていたのに、
どうしてイベントの締めはこうあっさりしているのだろうか…





校庭には、物語を締めくくるいつもの二人。


「涙あり、笑いあり。みんな、輝いていたわ!
やっぱ若いうちって、こうじゃなくちゃ!」



「あら珍しく、殊勝なこと言うわね」


「うっさいわねぇ。私もたまにはそういうときだって有るわよ。
今回は特に……蚊帳の外だったしね」



「よう、ご両人!どうだい、久々に一杯。
今日のコンクールをネタにしてさ。」


「そうね。たまには付き合うわ。
ミサトは?」



「いいわね!
言いたい事、たくさんあるんだから!…覚悟しておきなさいよ」


若いシンジ達の集まりに学生時代を思い出したのか、久しぶりに三人集まっての飲み会。
へいへい、美しいご婦人の愚痴なら、いくらでも聞きますよ…。
おどけた返事の加持に、楽しい飲み会になりそうだと感じるミサトだった。


…ちなみに、涙あり、笑いありとのことだが、
コンクール終了後に優勝を喜ぶ
シンジ達の姿とかの描写は一切ない。


涙も、笑いも、作り手のやる気も無い。



有るのは、何の効果も得られないトロフィー1本だけだった。


◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆

なんというか、単にトウジとヒカリのラブラブ話だったような気がする。
伊達に、林ふみの先生著書「鋼鉄のガールフレンド2nd」で
ハートマーク付のキャラ紹介をされていないな!というカンジである。



ヽ(`Д´)ノもうあんたらは、好きにしてくれ!


第24話    新世界より
by 1601109 | 2007-08-30 00:00 | シンジ育成プレイ記
第22話    嬉し恥ずかし、参観日②
第22話    嬉し恥ずかし、参観日①

第22話 し恥ずかし、参観日②



授業参観、当日。

クラスの名もない女子達が、あれは誰のお父さん、お母さんと
お互いの親の品定めをしている最中、トウジ達も
同じようにお互いの親を見比べたりしていた。



「うはは!ケンスケ、おまえのオカン、えろうごっついな。
一瞬、セキトリかとおもたわ!」


「俺の方こそ知らなかったよ。
まさかおまえが、クローン人間だったなんて。」


「じゃかあしいわい!オトンと瓜二つで何が悪い!」

以前の話から、トウジの家庭事情もかなり複雑な様子をみせたが、
こちらの世界ではそれなりに円満の様子。



「ねえ、アスカ?」


「…なによ」


「アンタのご両親、来てないの?」


「来るわけないわよ。二人とも、仕事の虫なんだから。
それで、アンタの方は?」



「似たようなもの」


「そう…だからって、
淋しくなんかないんだからね!」



「見栄ばっかり張って」


 

原作をご存知の方には語るまでもないが、アスカの家庭事情は
親が生きていればいいってもんでもないので
この扱いは已むを得ないだろう。




綾波レイに至ってはどうしようもないだろう。
似たようなものって、どういうものの事なのだろうか…



「父さん、来てくれるかな…」

その一方、シンジは父が来てくれるのか、気が気じゃない様子だった。
強がってはみたものの、やはり本心では父に来てほしい。


「あら、あれ…」


「シンジ君のおとうさんじゃない?」


「え?まさか、あの堅物で有名な碇所長が…・!?」


「来とるでホンマに、なぁセンセ!」


「え?」

(ケンスケを除く)友達たちの声に、驚いて振り向くシンジ。そこには…






「父さん…やっぱり、来てくれたんだ!」

満面の笑みを浮かべるシンジは、まだまだ甘えたい盛りの中学生。
対するゲンドウは、こういうところは苦手なのだが、と
居心地悪そうに落ち着かない様子。



「大丈夫だよ。父さんは、そこに立って
見ててくれるだけでいいんだから」



「うむ…そうか。
それにしても、暑い…」


「そらそうやろうなあ。
あんなにギッチリ、背広着こんでからに」

トウジの呆れたような発言もなんのその、
来てくれたというだけで大満足のシンジ。
本当に父さんが来てくれたんだ!と本当に嬉しそうに喜んでいる。

今日び、中学生どころか小学生でも親の参観を煙たがるような可愛げのない
ガキ子様も多いというのに、シンジの喜びようはとてもピュアだ。


「はいは~い。今日も楽しいお勉強を、始めるわよーん。
そこ!イヤそうにしない!」


と嫌そうな顔のトウジに釘をさし、早速授業が開始される。
ミサトの担当教科は、どうやら歴史。今回については日本史にあたる様だ。
前回の復習、と質問から始めるミサト。


「初めて征夷大将軍として幕府を開き、以後の武家政権の土台を作ったのは、何氏?」


「(シンジ、トクガワだ、トクガワー。
ほら、手をあげて。)」


「コホン…参観されている父母の方は、お静かに」


うぐっ

またしても年下の女性(元部下)に怒られる碇ゲンドウ。
碇ゲンドウ萌え炸裂だ。


「それから、シンジ君のお父さん、
その答えは間違ってます。源氏です」



あがっ


その上間違いまで指摘される碇ゲンドウ。
周囲の大爆笑の最中、


「叔父様ったら…」

綾波さんは本当にゲンドウに萌えていた。碇ゲンドウ萌え



「親子揃って、大バカ者ね」

アスカは容赦なかった。碇ゲンドウ萎え。


「…はい、じゃあ気を取り直して、次の問題」

「源氏が開いた鎌倉幕府ですが、3代将軍実朝が暗殺され、家系が途絶えてから
実権は何氏に移ったでしょう?」



「はい!」

「執権の、北条氏です」


その問題に、張り切って手を上げるシンジ。
先ほど父がヘンな声を上げて赤っ恥をかいた後だが、意外と冷静だ。
むしろ父の失態を取り返そうと頑張るシンジは驚くほどに父親想い。


「はい、正解!『執権の』まで言えるとは、
シンジ君、なかなか勉強してるわね」



でかしたぞ、シンジ!






「でかしたぞ、シンジ!」






「でかしたぞ、シンジ!」

碇ゲンドウ-----暴走

こ、こりゃ反則だよー!

こんな濃い顔芸を披露されては、もはやテクストの出番などあろうはずもない。
全話通して、もっとも碇ゲンドウがクローズアップされた第23話で
碇ゲンドウは完全な萌えキャラに変わってしまった。

ヽ(`Д´)ノなんなんだ、このキモ可愛いオヤジは!反則だって!


「…では次。鎌倉幕府が、それぞれの国を統治する
役職として定めたのは、なんと言いますか?」



「うむ…たしか藩主だ、シンジ。
そうに違いない!


「シンジ君のお父さん、あまり騒いで授業の妨げになるようなら、
廊下に立ってもらいます



「す、すみません、つい…」


「しかも、また間違ってるし…」

皆の爆笑を買い、シンジが真っ赤になって恥ずかしがる中、




ミサトはとてもいい表情でドン引きしていた。



「こういう人と、ひとつ屋根の下に住むのね。
今日は、勉強になったわ…すごく」



「こんな親なら、来ない方がマシだったわね。」


「きみのお父さん、ずいぶん面白いね」


「そ、そんなことないよ。きょうはちょっとアガッてるんだよ、きっと。
いつもは、真剣に仕事に打ち込んでるから…」



「そう、その姿が、ステキ」

相変わらず、綾波さんはゲンドウ萌えだった。

でも、会社では部下にハンコ押すだけとか言われてると思うと切ないなぁーー…






「お忙しいなか、わざわざ足止めしてすみません。
…ですが、シンジ君のお父さんとは、一度しっかり
話し合っておいた方がいいかと思いまして」


授業は普段どおり(?)にこなしたミサトだったが、
まだこの世界の疑問符が解けている訳でない。
平和な日常に流されつつも、ミサトは頭の中のひっかかりを
解決する時期を常に模索していた。

碇ゲンドウとの対話は、その中でも重要な部分を占め


「はっ!シンジが何か、問題行動を!?
もしや万引きとか、恐喝とか、買い食いとか…
いや、シンジに限って、そんなことは…

少なくとも買い食いは問題ないだろうと思うが、
話したい事はそれじゃない。
親馬鹿モードを引きずったままのゲンドウに苦い顔をしつつ、
私が話したいのは、あなたのことです、と核心に迫るミサト。



「一体…なんでしょうか」


「日本でも有数の研究施設、人工進化研究所の所長でもあるあなたが、
極めて多忙であることは、承知しています」

「また、同じ研究所で働いている、あなたの奥様…
シンジ君のお母様が、海外に赴任していることも」



「ええ。…それが、なにか?」

ここでミサトが一気に核心に、迫る。
自分が、シンジを預かっているのは、あくまでも善意。
他人であるミサトがシンジを預かっているという違和感から、
今の世界の矛盾を洗い出そうと


「昔から『子は親の背を見て育つ』といいます。
まして男の子なら、父親の存在は、特に重要になってくるんですよ!」

「無理して家に帰るくらい、してあげたっていいじゃないですか?」



違ったぁー!只の親への説教だったー!
も、もうわずかな期待で、つい元の流れに戻る事を期待しながら
テクスト書いてたけど、もうミサトも完全にこの世界の住人になってしまった。

父親なら、もっと威厳を見せてくださいと
マジ説教をするミサト。


「ともかく、昔から叱ったり、上からモノを言ったりするのが苦手でして…」

ヽ(`Д´)ノそれ一番得意だったじゃん!!

この後も、ミサトにオドオドしないでください、と説教されるも
これも性格でして…とゴニョゴニョとするゲンドウ。
最後はウダウダ言ってんじゃないわよ!と半ギレされた。


「こうなったら、今日は徹夜してでも、
あなたの性根を叩き直してあげます!
立派な父親になれるようにね」



勘弁してください!


学校が閉まっても、居酒屋で説教を続ける!と気合充分のミサト。
もはや今日のゲンドウの説教部屋行きは逃れる事は出来そうに無いようだった。

だいぶ先生ぶりが板についてきましたね…・とぽつり、呟くゲンドウ。
え、と一瞬素に戻るミサトだが、深い意味はないと流される。

違和感の種はそのまま見過ごされる。
そしてゲンドウへの説教は、これからが本番の様だった。

◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆




第23話    目指せ優勝!合唱コンクール
by 1601109 | 2007-08-29 00:00 | シンジ育成プレイ記
第22話    嬉し恥ずかし、参観日
第21話    見知らぬ、平穏③

第22話 し恥ずかし、参観日①




「父さん、どうしてはっきりいってくれないんだ!」

電子機器の低音が響く、研究室の中。
シンジは父、碇ゲンドウに声を荒げる。
対するゲンドウの表情は、一向に変わらない。


「シンジ…
時空連続体の不確定性から言っても、未来は不安定なものだ」

「つねに移ろい、断言できる事など、何一つない。」


なにやら難しい事を言い出すゲンドウだが、
要するに予定が決まらないと言いたいらしい。



「僕は、そんな屁理屈を聞きたいんじゃない!
もういいよ、父さんなんか!」


ゲンドウの言いたい事は(当然ながら)息子には伝わらず、
シンジは拗ねるように、ゲンドウの元を後にした。



「シンジ…」

残されたゲンドウは、息子の後姿を見つめつつただ一言、
その名前を呟くのみだった。







一方、人工進化研究所の廊下では



「…所長、まだ悩んでるみたい」


「行ってあげればいいのにね。
せっかくの父母参観日なんだから」

元NERV新オペレーター女性陣、現人工進化研究所所員となった
ゲームオリジナルヒロイン三人娘が、碇所長の心配をしていた。
NERVでは畏怖されることの多かったゲンドウだが、
こちらの世界では中々所員からの人望も厚い様子。



「どうせ仕事なんて、書類にハンコ、押してるだけなんだから。
いなくたって、同じよ」

そうでもなかった。
NERVではその存在だけで重要な位置付けであったゲンドウだが
こちらの世界では使えない上司扱いの様子。

肩書きも司令から所長とスケールダウンしているのは仕方ないが、
人間としてのスケールダウンは如何なものか。

書類にハンコ押すだけの仕事なんて、今時そんな
旧世代の社長みたいな運営立ち行くとも思えない。
場合によっては、職を失い、家に帰ることも出来ず、
あの司令官衣装のまま公園でコンビニ弁当を食べるゲンドウ
というビジョンも見えてしまうのだか、如何なものか。





「子煩悩なわりに恥ずかしがり屋、おまけにあがり症だものね」


「あがり症でも照れ屋でもいいけど、
一人息子のためじゃない。そのくらいがまんしろっつーの


この眼鏡、言いたい放題言っている。
流石に言いすぎと、阿賀野カエデ嬢に窘められるも、その舌鋒は止まらない。


「いいのよ。あんな、奥さんがいないと
なんにもできない男なんて」


「ワイフ・コンプレックス…とでもいうのかしら…」


「結局は、妻に母性を求めてるわけでしょ。
マザコンよ、マザコン。」


「あなた達、いったいなに考えてるの!?
所長には所長なりのワケがあって…」


「すまんな」

三人娘の話(主に陰口)を後ろで黙って聞いていたゲンドウ。
(主に陰口をいっていた)最上アオイが狼狽する横で、
先ほどのシンジとのやりとりに思いを巡らせるゲンドウ。


「しかし、やはり行ってやるべきなのか?
だが、今更どんな顔で…」


「行くべきです、所長!」


「!か、カエデ君っ」

熱心に、親子のふれあいとして行く事を勧める、家庭的なのが売りの阿賀野カエデ嬢。
それに便乗して、親子関係に効果的です、と先ほどの失言をもみ消そうと必死の
キチ●イ知的なのが売りの最上アオイ嬢。


「そうか…しかし、ああいうものはどうも苦手でな」


「大人なんですから、少しは我慢なさってください!」

年下の女性職員に怒られる碇ゲンドウ。

その後も、阿賀野カエデ嬢の熱心な説得。
さらには、最上アオイ嬢の奥さんに連絡しますよ、という脅し。



「それは…困る。

「わかった。君達の言うとおりにしよう」


「シンジ君、きっと喜びますよ!」

カエデ嬢の熱心な説得よりも奥さんへの告げ口が怖くて
シンジの父母参観に出席を決めるゲンドウ。
冒頭だけで、いままで築き上げた威厳はテトリスの連鎖のように一瞬で消えた。
た、ただの駄目なお父さんじゃないですかっ、碇ゲンドウ!?





「あの…所長?さっきのコンプレックスの件なんですが…」


ゲフッ!?


「ちょっと、サツキ!?」


「いや、カエデ君。私は気にしてはいないよ。
むしろ客観的な意見が聞けて、感謝している…とでも、言っておこう」


「所長…ご立派です」


「やっぱり、ワイフ・コンプレックスって、略すと何て言うのかしら?
ワイコン?


「……」


そして、時々凡人では思いつかない発言を繰り出す芸術センスが売りの大井サツキ嬢。
というか、ガイナックス的には芸術家とか天才肌の人はアレと紙一重というのが定番ですか?


「碇…あまりにも、不憫よのぉ」


「冬月先生!?」


「副所長まで!?…いったい、何時からそこに?」

冬月は、そのまま碇ゲンドウの元で人工進化研究所、副所長をしている様子。
だが、ゲンドウの態度からするに、NERV時と違い役職はともかく
人生の先輩として、ゲンドウよりも立場的には上のようだ。



「一部始終、聞かせてもらったよ」


もう…ダメだぁ。
冬月先生にまで知られてしまったぁ…」

冬月にまで妻に頭が上がらないダメ亭主である事を知られたと、
走り去ってしまう碇ゲンドウ。

画面では駆け足のみだが、おそらく顔を真っ赤にして走り去っている事は想像に易い。



なんだ今回の冒頭のノリは。
プレイヤーに求めるものは何だ。
碇ゲンドウ萌えか。

碇司令の走り去った後には、冬月がもう皆知ってることだろうに…
心底不憫そうにつぶやくのだった。



育成開始!



前回で遂に色気が全てのパラメータを凌駕してしまったため、
だらしない顔で自意識過剰に陥っているシンジ。

あがり症の父に、自意識過剰の息子。嫌な親子の出来上がりである。
どこで育成を間違ってしまったのだろうか。




今回から、育成パートにおいて渚カヲルと共にするパターンも登場。
基本的にはカルチャースクールのみ、しかも残り日数も1ヶ月余りなので
実際に接触する事は少ないだろうと思われる。

とはいえ、わずか1回で他にヒロインと一緒に勉強する3倍の色気が上昇って
ヽ(`Д´)ノもう色気はおなか一杯だっつーの!

今はパラメータが色ボケ状態から戻れない状況なのではっきりしないが、
教育パラメータの上昇率も非常に高い様子だ。この状態でまともに能力向上したのは久しぶり。
これは(隠しパラメータの)愛情パラメータも相当上がるのだろう。

軒並みカヲルにスケジュールを併せれば、最終エンドが
カヲル絡みになるケースも充分有り得る。





「碇君、今度の期末テスト…3月6日から3日間だったわよね」


「あ、そうだったっけ?

色ボケですっかり気の緩んでいるシンジの受け答えはともかく、
次回は最後のテストとなる、三学期末テストのようだ。

まぁ、色ボケしているとはいえ学力はアスカとの仲を進行する為に
通いつめた学習訓練で、しこたま上げているので今更問題でもないだろう。
問題があるとしたらあれだけ通いつめたのにアスカのイベントが無かったコト位。


「最後で補修、なんてことにならないように、
がんばらなくちゃね」

シンジの心配はイイですから、トウジの世話をしてあげてください。



第22話    嬉し恥ずかし、参観日②
by 1601109 | 2007-08-28 00:00 | シンジ育成プレイ記
第21話    見知らぬ、平穏③
第21話    見知らぬ、平穏②

第21話 知らぬ、平穏③



さて、前回、渚カヲルに誘われるまま、アスカ、綾波を交えて
クラシック四重奏を行う事となったシンジ。演奏は、週末。

本編では暫く日の当たらない日々が続いたせいか、アスカも綾波も必要以上にやる気だ。

後半の一週間。平穏な日常生活、初の祝日を平凡に映画で過ごし、
普通の学生と同様に、学校生活と、午後のプライベートを満喫するシンジ。




そして、日付は2月14日、水曜日。





「あれ、霧島さん?」


「あ、シンジ君。やっと帰ってきたね」

シンジが帰宅すると、マンションの前ではシンジを待つ霧島さんの姿。



「どうしたの、わざわざ」

問いかけるシンジに渡したいものがあるから、と答える霧島さん。
学校で渡してくれてもよかったのに、と首を傾げる朴念仁に、


「二人っきりのときに、渡したいでしょ」






「これです。ジャジャーン!

と、バレンタインのチョコレートを手渡す霧島さん。
ハート型のチョコには、中央に大きく「I LOVE YOU」。
流石霧島さんはアプローチが豪速球でストレート。




ミルクチョコにしたけど、ビターの方が良かった?と心配げに聞く霧島マナ嬢に
甘い方が好きだよ、と返すシンジ。
やっぱり私達って気が合うね!と笑顔の霧島さんに、本当に感謝を込めて、
ありがとうと返すシンジ。声優さんの演技力も輝いて、トークの方もべったべたに甘ったるい。



「またね、いとしのシンジ君!」

そういって笑顔で帰ってゆく霧島さんの後ろ姿を見送りながら、
シンジの色気は格段に跳ね上がる。



遂に色気が全パラメータにおいて
最高の状態と化した。




それにしても、クリスマスに続き、バレンタインまで霧島さんにポイントを奪われ
もはやメインヒロイン二人の逆転はほぼ不可能の状態に思える。

綾波やアスカに相当比重を置いたスケジュールで進めてきたのだが、
どうやら本作では序盤のリードを挽回する事は後半では相当難しいらしい。
結局アスカ個別イベントは覗きしか発生しなかった。




かわいそうな、ヒロイン……



バレンタイン翌日の、学校の帰り道。
夕暮れの河川敷に、渚カヲルが独りたたずんでいる。





「あ、カヲル君!」


「こんにちわ、シンジ君。
ここで会えるなんて、偶然という名の素晴らしい必然だね。」


「僕はこれから帰るところなんだけど、
カヲル君も、今帰りなの?」


甘くささやく様に、シンジとの偶然の出会いを喜ぶカヲルの発言に
普通に素の会話を返すシンジの方も只者じゃない気がする。
一方的に耽美な発言を行う渚カヲルだが、たまに素で返されて凄く会話が浮く場合がある。

もっとも、その程度でへこたれる渚カヲルではないが。



「運命を待っていた……といったところかな。
そういえばシンジ君は、担任の葛城先生と同居してるという話を聞いたのだけれど」


「…うん。母さんは海外に仕事で出ていて、
父さんも、ずいぶん忙しいみたいで、あんまり家に帰ってこれないから」



ここでシンジにより語られる、「キャンパス編」における生活背景。



本編では他界していたシンジの母親、碇ユイも存命。
ケンスケが生きていたのだから、今更驚く要素も無い。



もっとも海外出張生活らしいので、キャンパス編でもあまり絡むことはなさそうだ。

ミサトは、知り合いということでシンジの仮保護者。
碇ゲンドウは「人工進化研究所」なる施設所長。
アスカは幼少からの幼馴染。綾波も、シンジの遠縁にあたる親戚とのこと。



「そう……なのか。」

シンジの今の生活を反芻するように、ゆっくりと言葉を繋ぐ渚カヲル。

ぱしゃっ。


「わっ!
いきなり水をかけるなんて酷いじゃないか!びしょ濡れだ!」


不意に、川辺からシンジに水を浴びせかけるカヲル。
怒るより、驚きの表情が強いシンジに、穏やかな笑みを浮かべるカヲル。


「たまには童心に帰って、水遊びもいいんじゃないかな?
むしゃくしゃを忘れられる。」


「……そうだね。よし、負けないぞ!」

カヲルの提案に返ってくる、輝くような、シンジの笑顔。




童心に返って、水遊びをする二人。

服を水浸しにしながら、年端の行かぬ少年のような表情のシンジ。

穏やかな笑みを浮かべながら上半身裸のカヲル。

鮮やかな深緑からは、木漏れ日の光が水辺に差し込む、
ってココは一体何処なんだ。

さ、さっきまで河川敷で、しかも夕暮れだったじゃんっ!?
ヽ(`Д´)ノなんでこんなに明るい水辺が形成されてるんだ!

そんな二人の世界を思う存分満喫する、シンジとカヲル。
楽しげなシンジの笑い声。カヲルの方も、終始笑顔が絶えない。



「……それにしても、この世界はいいね。
誰もが、過去でなく未来を見て生きていける。
心が優しく強い者が、創造した世界だろうね。」

今居るこの世界に馴染みながらも、感嘆の声を上げるカヲル。
神を讃えるかのような言葉の中に、別の真実を隠しながら。


「哲学的なんだね、カヲル君は。
でも……うん、そうだね。僕も、きっとそうだと思うよ。」


今居る世界を素直に讃えられるシンジ。
この世界におけるシンジの人生がどれほど平穏で、健やかに暮らしてこれたのか。
甘い戯言のような発言だが、今のシンジの生活はそれを素直に感じられる世界。

水遊びを終えて、川辺に戻ってくる二人。
お互いにびしょ濡れだが、二月でも暖かな世界である事は変わらない。
夜でも暖かいからね、というシンジの言葉通り、
四季を失い、常夏となった今の環境事態は、変わらない。




・・今は平穏なこの世界でも、ひょっとしたらセカンド・インパクトは
起こっていたのかも知れない。大災害を乗り越えた世界だからこそ、
平穏の尊さ、穏やかな日常を噛み締められる。
過去に囚われるより、前を見て歩んでいくバイタリティが養われる。

全ては憶測の粋を超えないが、とりあえず確かな事は、今は平穏であるという事実であり、
それが最も重要な事。過ぎた過去は、この際たいした問題でもない。



「シンジ君、僕はきみのことをますます知りたくなってきたよ。」


「ええ!?」


「だからきみに、僕のスケジュールを教えるよ。
もしきみが僕に、会いたいと思ったらいつでも会えるようにね、シンジ君。」


なんとゲーム終盤だというのに自身のスケジュールを公開するカヲル。
自分から知りたい、とか言っておいて、会いたければ会いに来いという不遜な態度。


「同じ事をしていれば、僕達はもっと
判り合えるかも、しれないだろ?」

だが、この終了間際の状況から、一気に
カヲルとエンディングになるなどが可能なのだろうか?
既にメインヒロイン二人の逆転は、ほぼ不可能状態に思える。

だが、カヲルは初期状況からラブラブな雰囲気の二人だから、
のっけから好感度設定が異常に高い可能性も捨て切れない。
逆転の可能性は充分に有る。



そして残り1ヶ月程度の育成期間でエンディングを攫われては
いくらなんでも女性ヒロイン達の立場が無さ過ぎる
と思うのだが、如何に。


「月曜日と金曜、土曜の午後はカルチャースクールに通っている。
芸術は、心のオアシスだからね」

何にせよ、今後は育成過程においてカヲルが絡む日も有る様子。
ゲーム終盤、渚カヲルも正式にシンジ争奪戦に参加確定。
最終エンディングにおける、ダークホース的存在だ。

ちなみに現在の最有力本命馬は「霧島マナ」。
対抗馬としては初期から居る「綾波レイ」が挙げられる。

当然、イベントの全く発生していないアスカは大穴だ。
万が一アスカエンディングに到達したら万馬券。

まあ、この状況でシンジがアスカとエンディングを迎えたとしたら、
よほどシンジがアスカの臀部を忘れる事が出来なかったとしか思えないのだが…



覗きは、二桁はしてるからね、うん。




キャンパス編になってもやめないからね、うん。

ヽ(`Д´)ノ も う オ マ エ は い い 加 減 病 気 だ !





週末の、クラシック四重奏、当日。



「ねぇ、カヲル君?」


「なんだい、シンジ君」


「あの二人、なにやってるんだろう?」

時間になっても訪れないアスカと綾波。
ケンカでもしてなけりゃいいんだけど、と二人の組み合わせに不安そうなシンジ。


「ただ待ってるのも退屈だ。
音楽の話でもしようか」


「うん、話して!」

カヲルの提案に、カヲル君の話は面白いから、と一も二も無くうなずくシンジ。
それは光栄だね、と満足げな笑みを浮かべて、これから始める四重奏を語りだすカヲル。

従うべき楽譜は同じでも、演奏する者によってすこしづつ音色が異なる、重奏。
その違いがあるからこそ、重なった時の美しい響きが生み出されると語る。
それぞれの個性を生かしつつ、同じ演目を重ね合わせる喜び。

重奏は、だれかと時を同じく過ごしているようで好きだと返すシンジに、
カヲルは君らしい答えだ、と満足そうだ。


「おっと、どうやら女性陣のご到着だ」


「お待たせ、シンジ。
アンタ、二人きりだからって、シンジに
ヘンなことしなかったでしょうね」



…じぃーーーーーーーっ…


「やれやれ、ずいぶん警戒されたものだね」

アスカ、綾波からはすっかり危険人物扱いのカヲルが首を竦ませているとき、
もう一人の人物が、横開きのドアを開いて、音楽室に入ってくる。



「ゴメンゴメン、すっかり待たせちゃったわね」

突然のミサトの登場に首を傾げるシンジたちに、
聴く者が居なければ、せっかく奏でられた音も無意味だから、と
自分がミサトを誘った事を明かすカヲル。

早速始めようと声をかけるカヲルだが、チューニングくらい待ちなさいよ、と
準備を始めるアスカと綾波。


「やれやれ、女性はなにかと準備に時間がかかるね」

シンジに対してはやたらと哲学的な発言が多い渚カヲルだが、
異性の二人にはやれやれで始まるおざなりな発言が目立つ。
今のご時世、そんな迂闊な発言してたら田嶋先生に怒られますよ?



そして、始められる、四重奏。

ヨハン・パッヘルベル
『3つのバイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ』


ちなみに、早朝TVが始まる前のカラーバー状態でよく流れる曲だ。
多分、だれしもが必ず聞いた事が有るクラシック曲だろう。
音程を外す事も無く、見事に四重奏を奏でる、シンジ達四人。





そんな四人だけが持ち合わせる、連帯感のような空気を感じてか
重奏に加わる事ができなかった霧島さんは、一人外で
その重奏に、耳を傾けていた。



「シンジ君……あたしはここで、あなたの演奏を聴いています。
あなたの音楽を、全身で受け止めながら……」



「きゃあっ、あたしったら詩人~♪」

めげない霧島さんを尻目に、本来はエヴァ搭乗者という形で重なり合うはずだった
四人の運命……重奏は穏やかに、緩やかに流れ続けてゆく……

<続く>


今回次回の、当ゲームお奨めポイント◆

今回は非常に内容が長く濃かった為、一話を前後編に別けた形でお送りしました。
もう終盤にも関わらず、シンジ育成計画キャンパス編の力の入りようは只事ではない。
終盤のはずなのに、まるで今からが本編であるかのような物語の導入だ。

そして気になる次回予告がコレ!




このゲームにおいては、原作アニメ同様にミサトのナレーションが入るのだが、
今回ミサトはゲンドウの子煩悩が炸裂する!って言ってた…



不安だ……


第22話    嬉し恥ずかし、参観日
by 1601109 | 2007-08-27 00:00 | シンジ育成プレイ記
第21話    見知らぬ、平穏②
第21話    見知らぬ、平穏①

第21話 知らぬ、平穏②

こんなことになってしまったが、育成は何時もの通り続く模様。




もっとも、1つ決定的に違うことは、もうNERVに所属していないということ。
鋼鉄のガールフレンド2ndなどは、平穏な日常だが、物語の要所ではNERV、エヴァが
必ず関わってくる。しかし今作においては所属していたNERVは過去のこと。

日曜日に行える、ミサトの「NERVでの仕事」も無ければ
平日も、午前中は土曜日までしっかり学校。
今までのNERV訓練教科も、スポーツクラブ、学習塾、
カルチャースクールにボランティア、と完全に学生の余暇扱いだ。
パラメーターに「シンクロ率」は残っているものの、
育成過程では、もうシンクロ率を上げる訓練が残っていない…

正直、萎えそうになってきたが、最後の最後に
大どんでん返しがある事に期待して、頑張って育成を続けていこうと思う。

買い物に行くと、使徒戦にて(主にシンジ自身が)破壊した
店舗が全て何事も無く、復興していた。
あのケンスケが生きていたのだ。もう少々のことでは驚かない。




学校が無駄にピカピカになってるが、驚かない。




ゲーム本編ではありえなかった、全員揃っての授業なんかも当たり前。




職員室で、物思いに耽るミサト。


「葛城先生、じゃあ俺はこれで」

加持も先生らしい。ほんとこの男、本作では最後まで出番を逃さない。


「あらミサト、どうしたの?」

赤木リツコ女史は、保険の先生ね。まあ定番。

難しい顔のミサトに、どうしたの、生理?
いやに女性らしい生々しい切り出し方からトークに入る赤城リツコ。


「うーん…どうもねぇ……朝から、違うような気がするのよ」


「違うって…何が?」


「何もかもよ。
息を吐くたび、違和感が体にまとわりつくっていうか……」


とりあえず順応してはみたものの、どうにも違和感の拭えないミサト。



「デジャヴュ……既視感ってやつね?」


「そうそう!っていうかどっちかっていうとその逆かな?
確かに知ってるはずなのに、知らないところにいるような…そんな感じ」



「相変わらず思春期みたいなことを言うのね」

さりげにキツイセリフを浴びせて、本気で取り合う様子のないリツコ。
疲れてるんじゃない?と誰でも言えそうな結論を述べて終わらせようとするリツコに、


「朝いきなり碇司令から電話がかかってきて
『それも、もう終わる』とかなんとか…」



「碇司令?
ああ、シンジ君のお父さんの碇所長ね」



「ねぇリツコ…私って、前から教師だった?」

どうしても、自分の今の境遇がしっくりこない葛城ミサト。
思い過ごしと考えるには、あまりにも違和感が残りすぎる…

真剣な表情で考えるミサトを、怪訝な表情で見つめるリツコ。
…心なしか、言葉に詰まっているようにも見受けられる。


「SFとかで、よくあるじゃない?
違う世界に突然、精神だけが飛ばされて、いきなり別の生活をしなきゃならないとか」



……

わずかな、無言の後


「変な深夜番組をいいけど、ほどほどになさいよ。
シンジ君の手前もあるんだから」


結局、本気で相手にするつもりの無い赤城リツコだが、どうしてもミサトは納得出来ない。
結局、「仮に違う世界に来てしまったとしたら」という仮定話において、
まずはその世界になじんで様子見、事実がハッキリしたら対策を立てる、
という意見に落ち着いた。


「ミサト先生……か。」

結局、最後まで真剣な表情のミサト。
最後に笑顔で、アリガトねリツコ、と礼を述べるものの、
こんどは赤木リツコの方が怪訝な表情を浮かべたままだった。


「ミサト……先生か。
ふふふ。なんだか、慣れないわね…ん、ああっヤバイ!
職員会議の時間じゃない!?もう、すっかり忘れてたわ!」




スケジュールで、今までの学習訓練から、学習塾に。
名前は変わってしまったが、訓練、いやさ余暇でレイやアスカと
一緒になることは相変わらずらしい。



「一緒にがんばろう、碇君!」

表情は変わらないものの、今までとはセリフが180度違う綾波さん。
がんばろうのセリフだけでも驚きなのだが、最後にまでついている。




でも、オペレーターの服装とかは変わらない。
あ、あんた一応オリジナルヒロインなんだから、せめて服装のパターン違いくらい
用意しましょうや!顔アイコンも2~3種類しかないし!

と憤ってたら、なんでもこの服は「人工進化研究所」の制服らしい。
普段はそこで勤めていて、そこの所長が、碇ゲンドウ。

他のオペレーター陣も、そんな感じで登場してきた。



そんな中、ひとりだけ教育内容が武道からボランティアに変わり
優遇されている感のある阿賀野カエデ嬢。

ちなみに成長パラメータのバーで隠されてはいるものの、
綾波さん、あぁた



まあ今更パンツ如きというのも有りますが…



週末の、下校時間。


「ちょっとあんた、なんでそんなにシンジにくっついてんのよ!」



嬉しそうにシンジと腕を組む狡猾女、霧島マナ。
それにキリキリと怒声を浴びせる凶暴女、惣流・アスカ・ラングレー。
それを無表情のデフォルト立ちで受けるシンジ。


「だいたい、どうしてアスカは、
あたしとシンジ君が一緒にいるのをいやがるのー?」



「そんなの……ヘンな女が、幼馴染の周りをうろうろしてたら
警戒するのは当然でしょ」



「やっぱり、シンジ君をあたしに取られるのが怖いんでしょ?」


「取るとか。取らないとか、そういう……」

ごにょごにょと優柔不断ぶりをモロに発揮するシンジを取り合う、アスカとマナ。
シンジがどっちと帰るか決めなさいよ!といわれるが、
結局決められずにごにょごにょとしていると





「じゃあ、碇君はあいだをとって私と帰りましょ。」

綾波レイ、電撃参戦!!

冒頭からはあまり押しの強い傾向に見えなかった綾波さんだったが、
ココで切り札の恥じらい笑顔をふりまいて、シンジ争奪戦に参戦っ!?

 
「なんでそうなるのよ!」

声をそろえて反撃する二人だが、表情が笑顔と素の2パターンしかない霧島さんと
怒り顔しかないアスカでは、少々分が悪い。


「綾波!?何時からそこに?」


「ずっと、いたわ」

ちっとも気付かなかった、と乾いた笑いのシンジ。
まぁ、音も無く後ろに居られたら普通怖いよね。



「とにかく!シンジの馬鹿はあたしと帰る義務があるの!
毎朝、この馬鹿を起こしてるんだからっ!」



「碇君、こんな人たちにかまってたらバカがうつるわ。
こっちにいきましょう」



「そそそそそ、そういえば霧島さん!」


「ん?なになに?」


「今日、ぶ、部活動じゃなかったっけ?」


「もう直ぐ、下校時間。もう校門が閉まるわ……・」


「いや、その、なんていうか……」


「そうよ、まだ練習しなきゃいけないことが残ってたわ!
さあ、一緒に行きましょう、シ・ン・ジ!」


部活の部長権限を幸いに、シンジを音楽部に引っ張っていく霧島さん。
逃がさない!と追うアスカ、綾波。

ドタバタと走り回ってたどり着いた音楽室には
見事なピアノの音色が響いていた。



「すごい……いったい誰が弾いてるのかな?」

音色に誘われるシンジの横で、もしかしたら…と不安げな霧島マナ。
そして、その予感は的中する。


「おや、シンジ君。それに霧島さん……だったね。
そんなところで何をしているんだい?」

ピアノ奏者は、渚カヲルであった。
その音色に、素直に凄いんだね、感動した!と感心するシンジ。


「感動……か。
いい音楽とは、どういうものだと思う?
音楽部部長、霧島マナさん」

ちょっと挑戦的な、謎かけ。
それに対し、聞いて美しい、素晴らしいと思えれば
それでいいんじゃないかな、と返す霧島さん。


「ふむ……ただ心地よければいいのなら、自然の音でも構わないだろう?
虫とか騒音とか心臓の音とか……」

「でも、それだけでは、音楽たりえない。
そこに魂は入っていないから」

魂を込めてこそ、文化、そう語る渚カヲル。

その後、シンジがチェロを弾く事を話題に取り上げ、
一緒に演奏してみないかと誘うカヲル。


「カオル君が、そういうなら……」

魅入られるように、そう返答するシンジ。




そこに駆け込んでくる、アスカと綾波。
渚カヲルの妖しい色気に、敵意をかくそうともしない二人。


「やれやれ、とんだナイトのご登場だ。
どうやら彼女達は。僕がきみをたぶらかしていると思っているようだ。」


「あながち間違いともいえないようだけど」


「あなたが碇君を見る目、アブナイ香りがするの」


「そうね。なんかこう、いやらしい……」

総出でカヲルを牽制する三人を、慌てて止めるシンジ。
カヲル君は、ただ一緒に演奏をしようっていってるだけとなだめようとするものの



「ふーん。上等じゃない。だったらあたしも
一緒にやらせてもらうわよ」


あたしはシンジとヴァイオリンを弾いたのよ!と鼻息荒く言うアスカ。


「私、弾けるわ……ヴィオラを」


「おやおや。まるで君達は、シンジ君と一緒に音楽をやるために
生まれてきたようだね」


「あたしは、鍵盤と歌ならできるけど。
あとギターとか。でも……」



「クラシックな弦楽器には、自信がないと?」


「うう……」

音楽部部長として、痛いところを突かれた霧島は意気消沈。
すごすごと引き下がる霧島マナを尻目に、
残った四人で弦楽四重奏を行う事に。


「実に興味深い人たちだ。きみ達は。賞賛に値するよ」

結局、渚カヲルに上手く乗せられたようで釈然としないアスカを
やれやれ、と余裕でかわしながら、曲を選定する、渚カヲル。


「ヨハン・パッヘルベル
『3つのバイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ』」



「そうね……そのカノンの部分とかが
ちょうど、いいんじゃない」



「というよりも、我々には、
その選択肢しか残されていないようだ」


「…何、それ?」


「やがて、わかるときが来るよ」

4者4様の、弦楽器を生かす曲が決まる。
その仮定すら楽しむように、渚カヲルは柔らかな微笑を浮かべたまま…

四人の、演奏が、決まった。

<後編につづく>


◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆

とりあえず一言!

ヽ(`Д´)ノそりゃねえだろガイナックス!

てっきり、この後は熱いロボットヒーローの流れかと思っていただけに、
ここでいきなり学園コメディに流れるとは予想だにしなかった…

いや、コレ自体は悪くはないと思いますが、ヽ(`Д´)ノいかんせんタイミングが悪すぎる!
これか!?これが人類補完計画なのか碇ゲンドウ!?

でも、ミサトの反応をみるに単純なコメディで終わらない可能性も充分に高いので、
まだまだ油断は禁物です。もう全然予想がつかない…

果たしてどうなる、碇シンジ育成計画の結末は!?


第21話    見知らぬ、平穏③
by 1601109 | 2007-08-26 00:00 | シンジ育成プレイ記
第21話    見知らぬ、平穏①
EpisodeⅩⅩ 守りたいから

第21話 知らぬ、平穏

ーーーーあくる、朝。

ピンポーン。 ピンポーン。

玄関のチャイム音が鳴り響く、ミサトのマンション。





「……っつぅー。…何コレ?
頭いたあい。グラグラする……。夕べ、飲みすぎたかしら?」


奇妙な鈍痛に顔をしかめるミサト。頭痛と起き抜けのためか、
イマイチ意識がはっきりとしない。

そんなミサトの脇で、チャイムを鳴らした主は、当たり前のように
玄関を開けてマンションの中へと入ってくる。


うわぁっ!

奥から、シンジのぎょっとする声。
トタトタと廊下を走ってくると、ミサトに不機嫌そうに訴える。


「もう!どうして起こしてくれなかったんですか!」


「ううっ、頭に響くから大声で叫ぶのはやめてよ。
だいたい、男のコってのは、自分で起きるもんでしょうが。」


起き抜けで、まだ頭が上手く廻らないミサトは、
目の前で起こっている違和感に、直ぐに気付くことが出来ない。

昨日までの生活では、ありえない。
ーーーーー朝早く、ミサトがシンジを起こすことなど。

ミサトの頭痛は、二日酔いのような症状なのだが、何か、違う。



「なに、わけのわからないこと言ってるんですか、
ミサト先生。」



「グズグズしてないでよ、シンジ!
わざわざ人気者のこのあたしが、起こしに来てやってるっていうのに!」


シンジの横では、チャイムの主、アスカがふんぞりかえっている。

ゴメン!もう少し待って!と詫びるシンジに、
幼馴染だからって、毎日毎日世話かけないでよね、と不機嫌そう。


僕は、迎えに来てなんて、頼んでないのに……」

小声でボヤくシンジの横で、ミサトの頭はまだ廻らない。
遅刻しちゃう!とドタバタ走り回るシンジとアスカを尻目に、
ミサトはぼんやりと頭を揺らす。


「…シンちゃん、朝ごはんは?」


「食べてる時間、ないですよ!!」


「?食べるんじゃなくて、作って、って言ってるの」


「何で僕が、ミサト先生のごはんを
作らなきゃならないんですか?」


何を言ってるんだ、といったシンジの表情に、疑問符が浮かぶミサト。
いつものことなのに…とぼんやり考えるミサトの横で、
ホントにズボラなんだから、とシンジがボヤく。


「何でもいいから、早くしなさい!
いい加減にしないと、先に行っちゃうわよ!」



「わかったってば……ミサト先生、一生のお願い!
今日だけ、車で送ってくれませんか!?」



「だ~めだ~め。クセになったら困るでしょ。
何の為に、親に貰ったその二本の脚があるのよ?」



「判りましたよ、いけばいいんでしょ、行けば。
トホホ、今日も走るのか…」



「それから、シンちゃん?」


「なんです、ミサト先生?」


だああああ!だから、その『先生』よ!
どっこで覚えてきたか知らないけど、やめてくれる?
背中が痒くなるわ!」



ようやく、周囲の違和感を認識し始めるミサト。
シンジの言動は、先ほどから明らかにおかしい。
だが、当のシンジはやめてって、何をですか?とポカンとしたもの。


「んもう、シンジったら!
どこまでグズなら、気が済むの!?」


アスカの怒声に急かされて、慌てて家を飛び出すシンジ。
いってきます、のその声に、未だはっきりしない意識のままで、いってらっはーい、と返すミサト。


「あ、コラ、待ちなさいよ!
いきなりダッシュなんて、そんなの聞いてなーい!」


仲良さそうな掛け合いを残して、玄関から走り去っていく二人を尻目に、
ミサトは元気ねぇ…とぼんやり呟く。


その時、室内電話に長い、着信音。


「朝っぱらから、誰かしら?」

妙なタイミングの電話に首を傾げつつ、受話器を取るミサト。
NERVの呼び出しには、まだ随分を早いはず…


「はい、葛城です」






「…私だ」


電話の相手は、碇司令。
突然の司令からの直電話に、流石に目が覚めて緊張するミサト。


「シンジはもう、出たのかね?」



「はい、ただいま学校へ向かいました」


「そうか……
ごくろうだった、葛城君」




「はっ!恐縮です。」


「きみには、色々と迷惑をかけてしまった。
だが、それももうすぐ終わりだ」




「え?」


突然の、碇司令の謝罪…そして、もうすぐ終わり、という発言。
何が終わるというのだろう。ミサトの頭の中が困惑に支配される。


「さあ、きみもすぐに学校に行きたまえ。
教師が遅刻では、しめしがつくまい」



まるで、当たり前のようにそう呟く碇ゲンドウ。
その声は、まるで夢の中に誘い込むような、奇妙な響き…



「教師って…・ちょっとまってください、碇司令!」


「司令ではなく、所長と呼びたまえ。
……よろしく、頼む」



ガチャン


電話は、そこでプツリと途切れーーーー
後には、ツーー、ツーー、という非通知音が鳴り響くだけだった。


エヴァンゲリオン、第21話ーーーー

第21話 知らぬ、平穏

唐突に、丸文字に変わってしまった今回のタイトル。

前回までのロボットヒーロー物のような熱いドラマ展開から一転。
管理人の背に、何か冷たいものが差し込まれたような気がする、
怖ろしい急展開を迎えてしまった…





一方その頃。


「はあ、はあ、はあ……
間に……あった……はあ。」



「まったく(はあ、はあ)なんで(はあ)朝から
(はあ)こんなに走り回らなきゃ(はあ)ならないのよ。
全部グズのシンジのせいなんだからね!」



「文句だったら……はあ、朝起こしてくれなかった…
ふう、ミサト先生に言ってよ」


ヽ(`Д´)ノ自分で起きろ!

何時の間にやら、すっかり人に頼り切る駄目な性格に陥ってしまったシンジ。
エロくはしたが、そんな風に育てた覚えはないぞ!



「おはよう、アスカ、碇君」

久々の出番、洞木ヒカリ嬢に挨拶を交わすアスカとシンジ。
なんというか、ヒカリは朝の挨拶担当といった気がする。


「今日も夫婦仲良く、おしどり登校か?」




「ってゲェェーーー!お前はーーー!?」

「あの時死んだはずのーー!」

*注:死亡確認まではしてません。

当たり前のように学校に登校しているケンスケ。
入院している筈のトウジも出てきて二人でシンジとアスカを茶化すが、
トウジはともかく今更ケンスケの存在は違和感があり過ぎる。




そう、もはや注訳を差し込む必要もなかろうが、どうやらコレは
碇シンジ育成計画キャンパス編。

シンジがとても明るく育っていると唐突に突入するという、
学園キャンパスライフストーリーであるっ!
ってまんまコレ鋼鉄のガールフレンド2ndじゃねえか!ヽ(`Д´)ノ

茶化すトウジとケンスケに、大きな声で私とシンジがくっつく訳ないでしょ!
と怒声を浴びせるアスカの横で


「そうよ。シンジ君と赤い糸で結ばれてるのは、
このあたしなんだから。ねぇ、シ・ン・ジ」



「え?あ……その……。」


「な、な、な、なにドサクサにまぎれて、
アンタまたさらっとワケわかんないこと言ってんのよ、この勘違い女!」



「妬かない、妬かない。大丈夫よ。
どのみち貴女じゃ、シンジ君の相手にふさわしくないんだから」


久々に出てきたかと思えばえらく性格が悪くなって登場の霧島マナ嬢。
何を根拠に言ってるのよ!と鼻息の荒いアスカを更に挑発するように


「はい、レイ!コレ読んでみて」


「生意気、変わりもん、見栄っ張り、薄情もん、
自意識過剰、高飛車、乱暴、ヒステリー……」


なぜか所々が方言訛りで罵声を浴びせる綾波レイ。
これ、一人の声優さんが声のトーンを変えて一人芝居していると思うと少し空寒いものがある。


「いや~んな、かんじ」

いや~んなのはお前の存在だ!漢だったら黙って死ね!
復活すると、それはそれでウザい空気を漂わせるケンスケの横では
アスカが怒り心頭している。


「あら?本当の事言われて頭に来た?」

ヽ(`Д´)ノオマエ、これ性格が悪すぎて笑えねぇよ!
キャンパス編は、明るい学園コメディと言われていた気がするが、
今のところ、生々しい女の罵りあいと、



「二重人格、バームクーヘン、ポンポコリン……」

電波トークしかない。


「マナだけでも許せないのに、オタクのレイにまでコケにされるなんて…
もう容赦しないからね!」



「…オタクを、バカにしたわね」

本編では一度もその表情を変えることの無かった綾波が、
オタクをバカにされて怒り出す。

ヒカリに、シンジ君、止めてよ!といわれて
ぼそぼそとケンカはよくないよ…と育成初期以上の弱腰な態度で臨むシンジ。

当然、シンジの言うことなど聞く耳持たず、
オタク談義で討論を繰り返す綾波とアスカ。


「外国帰りだかクォーターだか知らないけど、
黙って聞いていればいい気になって。いい?
日本の文化は、オタクが作り上げてきたのよ。


その極論は、勘弁してくださいっっ!!
近年の韓国も、似たような文化で成長してそれ以上に堕落しているんですからっ!
わ、笑えませんから!全っ然、笑えませんからっ!!


「まあ、野蛮な人達。
やっぱりシンジ君にふさわしいのは、このあたしだけのようね」


今までの討論にシンジを奪い合う要素はひとつもなかったのだが、
とりあえず元の鞘に収める霧島マナ。


「あうぅ……トウジ、ケンスケ。
黙ってないで、僕を助けてよ」


むしろ管理人を助けろという気分で一杯なのだが、
奇跡の生還を遂げたトウジとケンスケに助勢を求めるシンジ。


「知らんがな、あほくさ!
こんな痴話ゲンカに、大の男が、首突っ込めるかい」


「まったく、うらやましいかぎりだな。
あんな美少女達から、いっつもいっつも絡まれて」


「そんな事いうなら、代わってほしいよ…」

力なく呟くシンジ。確かに、これだけ性格破綻したヒロインに囲まれても
まるで羨ましくない。


キキキキキ、・・ガシャーンっ!

シンジがぶつぶつ言ってると、音で車の派手な激突音。


「ミサト先生、またぶつけたのか…」

どうやら、葛城ミサトも遅らばせながら、コチラ側に訪れたようだった。






「おっす!みんな揃ってる?
ホームルームから、始めるわよ」


プレイする管理人をおいてけぼりに、あっさりキャンパス編に順応するミサト先生。


「起立ー。気をつけ。礼」

はじめて委員長らしい仕事をこなす洞木ヒカリ嬢。
一同そろっての、おはようございます。


「喜べ女子ども!今日は、転校生を紹介します!」

女子が喜ぶ、ということは、恐らく男の転校生。
美少年かも、と色めき立つ名前の無いクラスメイト。


「それじゃ入ってぇ。渚くん」


「……」



2016年にもなってマブくない?、は無いと思うのだが如何に。
それとも、時代が一周してまた流行ってたりするのだろうか?
シンジたちも、高校生編からはボンタンにドカン、ヨーラン背負ってリーゼントなのだろうか。


「渚カヲルです。
家庭の事情で、ドイツから越してきました」


「ドイツ?どっかで、そういう話を……」

女子A、Bが色めき立っている横で首を傾げるアスカ。


「間違いない。カレ、私とおんなじ…」


「何?」


オタクの匂いがする

嫌過ぎまするぞ、渚カヲル。

渚カヲルに何かを感じる!という霧島さんに、それって恋?と不安げに問うシンジに
恋してるわよ…シンジ君にね!と返されて、心底ほっとした表情を浮かべるシンジ。
優柔不断は、(理不尽に)モテ系主人公の必須能力だ。
今のシンジは、すっかりあの熱かった気持ちをわすれてしまっている…


「ありえない、ありえない、ありえない!
中2でこんな女なんか、ありえない……。
ドイツ人でもアメリカ人でも、ありえない!」


狡猾な霧島マナに敵意むき出しのアスカ。
横ではシンジがデレデレしている。


「はいはい、静かに!
渚君に、続きを言わせてあげましょう」


両親は多忙の為、淋しい一人暮らしです、と語るカヲル。


「僕の家……たいしたおもてなしもできませんが、遊びに来てくれると、嬉しいです」




挨拶も終えて、さりげなくシンジの席の隣を確保する渚カヲル。
頬を赤らめるシンジ。何かを感じて警戒気味のアスカ。
態度の悪い座り方の綾波。


「アスカでは感じえなかった、この危機感。
いったい、この感触は何なの?」


本能的にカヲルの危険な匂いを感じ取る霧島マナ。
アスカ、耳貸して、とアスカにすら助勢を求めるほどの警戒ぶり。

最初は、アンタなんかと手を組む気なんかないわ!と
突っぱねていたアスカだったが、霧島マナに耳打ちされて、一転、表情を変える。


「手を組むことにしましょう。
はい、レイ、コレ読んで!」



「えーと…・・先生、席替えしましょう。今すぐ」


「…却下します」


「えー!ミサト、横暴ー!」


「三学期の初めに、したばっかりでしょ!」


「なかなか思うようには、いかないようね。
でもマナは、障害があるほど……」



「はっ、萌えるタイプだったわね……」


「くすくすっ」


「中々、楽しいクラスだね」


「ちょっと……っていうか、かなりハチャメチャだけどね」

あらためて、よろしく、とシンジに手を差し伸べるカヲル。
笑顔で返す、シンジ。


「カヲル君、仲良くしてね」


「もちろんだよ」

今まででも前例の無い、長い、長い冒頭のオープニング。
渚カヲルの登場で、シンジの周りはにわかにざわめき始めていた。

第21話    見知らぬ、平穏②
by 1601109 | 2007-08-25 00:00 | シンジ育成プレイ記
EpisodeⅩⅩ 守りたいから
EpisodeⅩⅨ 戦う理由②

EpisodeⅩⅩ りたいから





「参号機は、幸い大きな破損はない。一週間もかからずに、修復できよう。
…問題は、むしろパイロットだな」


「その件は任せる。
それより問題は、ネヴァダ基地だ」

参号機の強引な起動実験失敗による、参号機の破損、およびトウジの怪我。
本来ならば、それを指揮した碇ゲンドウの責任が問われる内容だが、
当の本人は気にした様子も無い。

ネヴァダ基地。その発言に、予定通り進んでいると即答する冬月。


「…しかし、いいのか?
老人達に感づかれたら、只では済まんぞ」


「かまわんさ。ゼーレが、S2機関を手にすることに比べればな。
それだけは阻止しなければならない」

「計画を、予定通り進めさせてくれ。



-------我々の、計画をな。」

「ゼーレ」…セカンド・インパクト以前より存在していた秘密組織。
国連を隠れ蓑に、特務機関NERVを設立。エヴァンゲリオン建造を成した。
事実上、NERVはゼーレの指揮下にあるといっても過言で無い…

碇司令と、ゼーレとの、確執。
エヴァを以て使徒に対峙する、というNERVの存在意義は、
互いに思惑の違う計画に沿って、徐々に道を違えはじめていた。



育成開始。


「僕のせいで、トウジがあんなことに……」

だいぶ以前から意味を成していなかった「会話」で、涙声でつぶやくシンジ。
トウジの怪我は、シナリオ分岐でも重要な意味合いを持っていたようだ。
ケンスケの時とは待遇がまるで違う。

流石に、学力がどうだ、霧島さんがどうとか、などの浮ついた発言は無い。







「いやぁーーん!」


でも覗きは止めないがな!

この辺りが、いかにも碇シンジ育成計画っぽいと思うのだが、どうだろうか。
だが、今回の話で突っ込めるのはもうこの位だ。
今のシンジは、熱い主人公。突っ込める部分など、あろうはずがないのだ。







週末。欠かさずトウジの見舞いに訪れるシンジ。


「トウジ、よくなったって言うけど、本当に大丈夫?」

半泣きの表情で、心配げにトウジを見つめるシンジに、
やたら二枚目な表情で笑みを浮かべるトウジ。

え、何、この構図…?

今まで、どんなにヒロインとイベントで絡んでもたいした反応を見せなかったシンジだが、
トウジの件ではやたらと前に、前に突出してくる。
あれだけデレデレした表情で語っていた霧島さんの話題まで断って…

油断してると、背景のカーテンあたりに赤い薔薇が咲き乱れそうだ。
このイベント、明らかにヒロイン関連のイベントより力が入ってるんですが。






「ガキンちょやあらへんのやから、そないに気ィ遣わんでも平気やて。
…センセはホンマ、心配性やな」


「怪我したのは、僕のせいだから。
僕が巻き込まなきゃ、トウジだって、こんな目に遭わなくてよかったはずなんだ」



「そら、ちゃうで!」

トウジの怪我に責任を感じ、落ち込むシンジに、強い語気で否定するトウジ。


「エヴァのパイロットになったんは、ワシが自分で決めた事や。アレに乗ったんかて、そうや。
センセには、なーんも責任なんぞあれへん。謝られるんは、迷惑や!」

二枚目顔で、漢っぽい二枚目発言を繰り返すトウジ。やだ、なんか素敵……
これはシンジがメロメロになるのもわかる気がやめれ。


「こんな怪我なんぞ、アッちゅうまに治して、センセと一緒に戦ったるワイ!
せやから、そんなショボくれた顔すんな」

なんと、トウジはアレだけの目に遭ったにもかかわらず、
まだエヴァに乗るつもりがあるらしい。
初めて乗ったエヴァで受けた精神汚染、心身ともの大怪我…
本来ならば、怪我で、恐怖で、再起不能となるであろうに。
彼は一緒に戦う、と宣言したのだ。



「ワシにかて、センセと同じように、護らなアカンもんがあるんや」

トウジの発言は、シンジの胸を、強く。……強く、打つ。






2月3日 土曜日




「駒ケ岳防衛線が、破られました!」


その頃、NERV司令部には、非常警報と緊張で占められていた。
久方ぶりの、使徒、襲来。
使徒の能力によるものか、はては混迷するNERVの弛緩の隙か。
使徒は、強襲といえる速度で、第3新東京市に近づいていた。


「してやられたな。防衛網を展開する暇もないとは…」

苦い表情で、失態を呟く冬月。
使徒は、既に第3新東京市の中核、ジオフロントに攻撃をかけている。
第1から第18までの防衛用特殊装甲を一撃で易々と貫通する使徒。
今までの使徒でも1、2を争う攻撃力を持っている。


「ちぃっ、地上攻撃をしている時間はないわね。
エヴァ各機、出撃準備!」



「了解」


「まっかせて!」


「ちょっと、シンジ君は!?」

アテにならない二人に声も掛けず、シンジの不在に青ざめるミサト。
今日の予定、今の時間は、病院でトウジ相手にときめいている


「なんて間の悪い……緊急回線で、シンジ君を呼び出して!」

奇しくも、冒頭にアスカが危惧していた通り、間の悪い時の有事。
アスカと綾波の二人が準備を進める中、ミサトの不安は、拭えぬまま。







「おや、シンジ君じゃないか。こんなところで何をしているんだい?」


「友達の見舞いの帰りです。会った事ありますよね、トウジとは」

病院の帰り道、シンジは郊外でぼんやりしている加持と会っていた。
って加持の方こそこんなところで何をやっている。


「…参号機の鈴原君、だったね。大変だったな」


「…僕、最近、父さんが正しいのかどうか、
判らなくなってきました」


エヴァによって判りあえてきた、気がしていた親子は、エヴァによって迷い始めていた。

人類を護る為、自分が戦うことにはもう迷いの無い、シンジ。
だが、友達であるトウジが戦いに狩りだされた事にどうしても納得がいかない。


「…シンジ君。もしもの話だが、碇司令が間違っているとしたら、
君はどうするつもりだ?」

重い、加持の問い。
司令である父、ゲンドウ。その考えの善し悪しなど、
今まで考えたことは無かったシンジ。


「わかりません……たぶん、その時になってみないと
結論は出せないと思います」


判り合えるかも、しれない。
もしかしたら、
どうしても、許せないかもしれない。

もしもの話では、とてもその時の気持ちを想像する事は出来ない。


「そうだな。だが人間にできるのは、自分を信じること。
…そして信じることを成すことだけだ」


「自分を……信じる……」

碇司令や、周りの事は関係ない。
既に覚悟を決めたシンジにとっては、後は自分の信念を貫くかどうかだけだ。


「それで誰かが不幸になるかもしれない。
自分が不幸になるかもしれない。
…その代償を支払ってなお、追い求めるもの」

「とかくこの世は、互いの信念がぶつかり合って形作られる。
人間の社会というのは、その合間で生まれた泡のようなものなんだよ」


「……難しいですね。でも、何かわかった気がします」


ビーーーッ ビーーーッ

シンジ達のいる郊外にまで響く、非常警報の、音。


「行かなきゃ!」

非常警報の音に、キッと表情を引き締めるシンジ。
悩む間は、無い。


「きみの信念がどこまで通用するか、試してくるといい」

その言葉に軽い礼を述べて、駆けて行くシンジ。その表情に、迷いは無い。
その背中を見つめながら、呟く加持。


「負けるんじゃないぞ……シンジ君」

その発言は、目の前の使徒だけでない、シンジの前に立ちはだかる
色々なものを指しているようだった。


…ところで、加持、オマエは結局
こんなところで何をしているんだ?




「目標、ジオフロント内部に侵入!」

伊吹マヤ嬢の悲痛な叫びに、凍りつくNERV内部。
司令席で見つめる碇ゲンドウにも、言葉が無い。

NERV本部との接触まで、あとわずか。


「ミサト、準備は出来てるのよ。早く出しなさいよ!」

弐号機の中で、アスカが焦れたように声を荒げる。
ミサトはこの二人には期待していない3機同時でないと厳しいと考えている。
だが、これ以上は…待てない。


「エヴァ零号機、および弐号機を……」


「遅れました!初号機パイロット
碇シンジ、搭乗しました!」



音楽も変わって、ヒーローは遅れてやってくる!
3機揃っての出撃に、ミサトはようやく気合の入った表情を見せた。


「よっしゃ!エヴァ全機、出撃!
土足で他人の家に上がってきやがった、居直り強盗を叩き出すのよ!」





「すさまじい攻撃力と、コアを隠す防御力、共に前例のないくらい
強力な使徒ね。長期戦になれば。こちらが不利だわ」


赤木博士の分析に、短期決戦を覚悟するパイロット達。
エヴァ全機に近接戦闘最強の長刀、マゴロックスを持たせて、いざ出撃!


「ここで倒さなきゃ、みんな死ぬんだ。
トウジも、ミサトさんもリツコさんもみんな、父さんも……」


ここでも気合を入れなおすシンジだが、名前の最初はやはりトウジ。
メロメロですか。そうですか。


「父さん!そこに居るんだろ!返事をしてよ!」


「シンジ君!?今は作戦中よ。関係ない発言は……」

エヴァの中から、父、ゲンドウに呼びかけるシンジ。
慌ててミサトが制するが、シンジにとっては、関係ない発言では、ない。



「かまわん。続けろ、シンジ」


「僕には、父さんがしていることが正しいのかどうかわからない。
だけど、僕が正しいと思えることはある!」

「僕は父さんの人形じゃない!自分で正しいと思えることを、
自分の意志でやっていく!僕には、その力があるんだ!


父ゲンドウに、強く、言い放つシンジ。
もう、廻りに流されて迷ったりはしない!自分の力を信じ、自分の信念を貫く!


「……いいだろう。
おまえが正しいことを、実力で証明してみせろ」

そう呟く父、碇ゲンドウ。
心中の見えぬその表情の奥に、父としての心情を隠しながら…

この熱いシンジの前に、眼前の使徒などもはや敵ではない!



使徒を剣で切り裂くシンジ!
ダメージも軽微。1機でも余裕で倒せる勢いだ!

その後、足しにならない攻撃と、倍返しのダメージを負う零号機、弐号機。



一撃で半分もの損傷を受ける零号機と弐号機。
ヽ(`Д´)ノおまえら弱すぎるよ!!

シンジは余裕だが使えない2機のために短期決戦を余儀なくされる。
ふがいない2機を防御させ、孤軍奮闘するシンジ。

結局、初号機1機で使徒をメッタ切りにして戦闘は終了した。






「よくやった、シンジ」

使徒を見事迎撃し、威風堂々と立つ初号機に、碇司令が言葉を掛ける。
それに対し、父さんのためじゃない、友達や、NERVにいる皆のために戦ったんだ、と
キッとした表情のままのシンジ。

シンジの活躍で、トウジの居る病院も、本部棟にも被害はない。
そのことに、ようやくホッとした表情を浮かべる。


「使徒の残骸を回収!」

ーーー一方その脇で、赤城リツコの慌しい指示が飛んでいた。







「第14使徒の残骸から、完璧な形でのS2機関の回収に成功しました」


「ご苦労だった」


「エヴァ各機にS2機関を搭載することで、活動時間と場所に関する
今までの問題点をクリアすることができますが…・」

「半永久機関であるこれを独占して、あなたは、いかがなさるおつもりですか?」


S2機関…使徒の原動力ともいえる、それは膨大なエネルギーを生み出す
半永久機関であった。だが、コレが何に活用できるか、それは今の段階では判らない。


「ゼーレの思惑通りにはさせない。
ただそれだけだ」




彼らが、それを許すでしょうか。
赤木リツコの問いに、君には関わり無いことだ、と
S2機関のコピー精製、開発を指示する碇司令。


「はい……ですが、司令?」

「エヴァにS2機関を積むということは、
神を生み出すことに等しいと、お気づきですか?」



「問題ない」

赤木リツコの不安、そして指摘。誇張ではない、「神にひとしい」ものの精製。
それにすら、碇ゲンドウのいつもの口調はなんら変わることはなかった。

シンジは、己の信念に生きる事を覚えた。
…奇しくも、同じように己の信念に対してあまりにも愚直に生きる、父のように。



「……あなたのカレンダーでは、すでに始まっているのですね」





人類補完計画が……



◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆

原作とその展開を違えつつも、少しづつ本来根ざす部分を明らかにしてゆく育成計画。
ゼーレとは何なのか?NERVとは何なのか?
そして、碇司令の思惑は、エヴァを取り巻く周囲の思惑は!?

そして遂に登場したフレーズ、「人類補完計画」

いよいよ終盤、物語は激動を迎える…!?



あ、あとヒロイン二人、戦闘でも要らん子になってるんですが
もうどうしたもんなんでしょうな!




第21話    見知らぬ、平穏①
by 1601109 | 2007-08-24 00:00 | シンジ育成プレイ記
EpisodeⅩⅨ 戦う理由②
EpisodeⅩⅨ 戦う理由①

EpisodeⅩⅨ う理由②


「シンジ君、聞いてる!?」

警報鳴り響く、松代基地の外。険しい表情のシンジ。

ミサトによって、参号機暴走が告げられ、初号機が動く。
期せずして、戦闘突入となる初号機と参号機。

本編との違いは、既にシンジは参号機パイロットをトウジと認識している点だ。
絶対にトウジを助ける!とシンジの表情は険しいまま。


「参号機の内部電源が切れるまで、参号機を食い止めて。
こちらからの攻撃は、パイロットを負傷させる恐れが有るわ」


攻撃をせず、持久戦。

重要なのは、シンジの防御能力と、勝手に攻撃しないかという道徳心。
ジェット・アローンの時は言うことを聞かずに造反した前科が有るだけにとても不安だ。
もちろん、シンジの初号機の耐久度が持たなければ、その時点で初号機も暴走。
原作通りの…相手をわかっている分、原作以上の悲惨な結末が待っている。

ここを凌がないわけにはいかない!





シンジの低すぎるシンクロ率が悔やまれる。
アイドルビデオなんか見せてるんじゃなかった。



「トウジ、僕だ!碇シンジだ!
今助けるから!僕が助けるから!」


必死で叫ぶシンジだが、トウジは気を失っているのか、返事はない。
とにかく、凌ぐしかない!





今までの戦闘で、管理人が最も緊張した戦闘だった。





「このおおお!よくもやったな!」

や!止めてシンジ!マジ切れは止めてぇ!
ミサトの時みたいにマジ切れは止めてぇ!








「…参号機、停止。」

ミサトの時のように勝手に攻撃するようなことは無く、
無事、護りきったシンジと初号機。

シンジの初号機に支えられ、参号機が、力なくその活動を停止する。



「初号機、参号機ともに、致命的な損傷を認めず」


「止まった…やっと…」

シンジの必死な思いは、エヴァ暴走にも関わらず殆ど大きな被害を出さない
奇跡的な結果として、実を結んだ。

当然・・・無傷、ではないが。


救護班に搬出されるトウジ。表情は苦しげだ。
大きな外傷はないものの、精神汚染の可能性を考えれば、予断を決して許さない。

涙を流し、必死にトウジに呼びかけるシンジ。


「お願いだから。少しでいいから…
ねえ、答えてよ!」




「…なんや、エラい…しくじってもうた…は、ははは…」

シンジの声が、トウジに届く。
呼吸器を宛がわれ、苦痛にうめきつつも、トウジは返答を返す。
苦しげなトウジにこれ以上喋らせられないと、もう喋らなくていい、と気遣うシンジ。


「シンジ君。参号機パイロットは、治療の為、近くの病院に移します。
…あなたには、彼への付き添いを命令します」


ミサトの計らいで、病院への同行を許されたシンジは、ミサトにお礼を述べて
トウジと共に、病院へと向かった。



トウジは、心身ともに重症を負い、パイロット復帰は困難とされた。
シンジは、つきっきりでトウジの病院に居る。

最悪の結果は、免れた。

性急に行われた、参号機起動実験の成果は、それだけだった。






「葛城…大変だったそうだな」

郊外。
第3新東京市が見渡せるそこに、神妙な顔つきの加持と、ミサトが並んでいた。



「その顔じゃ、ヨリを戻そうってわけじゃなさそうだな」


「今日は、軽口はなしよ」

真剣なミサト。何時もの軽口を叩く暇も…余裕も無い。
事態が、あまりにも性急に動きすぎているから。



「NERV…いえ、碇司令とゼーレは、一体何を企んでいるの?
あなたなら、知っているはずよ」


以前から持っていた、碇司令…NERVという組織への疑念。
ミサトは、これ以上は盲目的に働く事が出来ないと判断していた。

その問いに、勘弁してくれ、どうして俺がそんなことを、と濁そうとするも
ごまかさないで、と語気を荒げるミサト。


「…知っていても、話せないことはある。
それに、やたらと首を突っ込むのは火傷の元、そうなんだろう?」


「特殊監察部と内務省調査部を兼ねているあんたが言うべきセリフじゃないわね。
いいから、知っていることを教えなさいよ」



「…この件で俺が知っているのは、参号機移管が、碇司令の強い要請に
よるものだということくらいさ」

根負けして、自身が持っている情報をひとつ提供する加持。

ーーーエヴァを日本、NERV本部に集めようとしている。

その発言に、驚きを隠せないミサト。
参号機はシンジの活躍により、結局無傷で入手。米国の四号機も怪しいものである。
エヴァを集めて、一体何を行おうとしているのか…



「いずれにしても、NERVもゼーレも、エヴァを中心に動いてるって事か…」

一体・・・エヴァとは、何なのか。

碇司令、ゼーレ、ミサト、…それぞれの思いと思惑。
NERV内部の波は、徐々に荒れる大波へと変わりつつあった。

◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆

展開事態は、原作17話に近いものだが、そのスタンスが大きく異なる今回の19話。
前向きに、必死に親友を救おうとするシンジの態度は、とても熱い。
トウジの参号機も参戦、という熱い展開もちょっと期待していたが、
これはこれで熱いエピソードだったと思う。

前回、(変な方面で)繋がりかけた親子の絆だが、次回以降一波乱有るのは必至だ。

いよいよクライマックスに近づくシンジ育成計画。最後の結末は如何に…






NERVパイロット陣とミサト、赤城博士のミーティング。
二人が並んで待つ施設内に、先ずはアスカが単身訪れた。


「来たわよ、ミサト」


「ご苦労さま……って、アスカだけなの?」


「シンジなら、あたしをおいて、鈴原の見舞いに行ったわ」

エヴァのパイロットって身分をどう考えてるのかしらね、と
呆れたように言い放つアスカに、そういわないの、となだめるミサト。
アスカの意見はドライな様だが、一理ある。
だが、シンジの心情も知るミサトからすれば、咎める事は出来ない事だった。

トウジの症状は、なんとか持ち直したらしい。
だが、NERV管轄下の病院ではないため、詳しい症状は判っていない。
そう、とつぶやいたミサトの言葉尻に、重いものが込められる。



「すいません、遅れました」


「ああシンジ君。鈴原君はどうだった?」


「ずいぶん回復してきましたよ。
そろそろひとりで歩けそうだって」


シンジは一切傷つけていないとはいえ、参号機の神経接続によって
異常な身体活動をシンクロさせられたトウジの体は、ボロボロだった。
ひとりで歩けるようになっただけでも、大きな回復と言えるほどに…



「トウジのやつ、妹さんの心配ばかりして、
『早よ退院させんかい』って。…自分も大怪我してるのに。」


軽口を叩けるほどにトウジが回復した事に、シンジは心底嬉しそうな笑顔を見せる。
アスカも、それだけ元気なら大丈夫でしょ、と相槌を打つ。
ドライな発言をしていたが、やはり多少は心配だったらしい。


「……トウジ君を、NERV本部施設の病院に
転院させるというのはどうかしら?
医療施設だって、ココのほうが上でしょう?」



「どうしたの、突然?」


「トウジ君も、エヴァのパイロットよ。あれは、作戦中の負傷になるわ。
NERVで看るのが、当然でしょう?」


前回、あまりに急な参号機実験を組まれた為か、トウジに対する関心の薄い赤城博士。
本来なら、エヴァパイロットは監視の意味合いも含めて、NERV関連施設にて
全ての対応を行うのが普通だ。

もっとも、ミサトの発言は監視の意味合いより、
トウジの治療に対する責任感からのものである。

ミサトの発言に、それもそうね、と納得する赤木博士。
善は急げ、と手配を検討する二人に、言いにくそうにシンジが発言する。



「…ああ!もちろん、職員の家族も、施設を利用することが出来るわ」


「あ、ありがとう、ミサトさん!
トウジもきっと喜びます!」


妹を良い医療施設へ移す為にエヴァに乗った、トウジ。
その志を遂げる前に入院となったトウジを気遣ってのシンジの発言だったが、
これで兄妹そろって高度医療施設に移ることが出来る。
罪滅ぼしにもならないけど、と自嘲気味のミサトだが、シンジはとても嬉しそうだった。



「さあ、ミーティングを始めるわよ」

気を取り直すように、ミサトがミーティングの開始を言い放つ。
当然、これでトウジの件が解決した訳ではないが、今は迷っている暇は無い。


第ⅩⅩ話、「守りたいから」。


遂に二十話に届いた、シンジ育成計画。
物語は、少しづつ勢いを増しながら、佳境へと近づいてゆく……

EpisodeⅩⅩ 守りたいから
by 1601109 | 2007-08-23 00:00 | シンジ育成プレイ記
EpisodeⅩⅨ 戦う理由①
EpisodeⅩⅧ 激闘!サバイバル作戦

EpisodeⅩⅨ う理由



学校。
校門で待つトウジの元に訪れるシンジ。


「トウジ、来たよ。
わざわざ呼び出すなんて、どうしたの?」



「すまんな、センセ。・・・教室やと、ちいと恥ずかしゅうてな。」


「今日は、ずいぶんと殊勝だね」

色気上昇に併せてか、たまに調子に乗ってる発言が飛び出すシンジ。
そんなシンジに、あほんだら!ワシかて、そういう時もあるわい!と言い返すが、
何時ものような勢いのないトウジ。確かに殊勝、というか神妙な態度だ。


「センセも、この学校に来てもう半年とちょいか。」

不意に、過去を振り返るトウジと、シンジ。
最初は馴染まなかった学校生活も、アイドルビデオトウジとケンスケのお陰で楽しかったと
シンジも釣られて殊勝な受け答え。そのうちの片方は失踪したまま音信不通なのだが。


「センセも、色々大変やったやろ。
世界を守るなんちゅう重たいもんしょわされて、
学校もロクに来れへんし、好きな事もでけへん。」

「…オマケに、命がけで戦うとっても、誰かに恨まれよるしなぁ。」

シンジの生活を気にかけつつ、最後の言葉には自身への反省が含まれる。
シンジの緒戦においてトウジの妹が怪我で入院する事となり、
最初トウジはシンジに激しい憤りのまま掴み掛かったりもした。

その後、戦闘に巻き込まれた時。
必死の形相で戦うシンジを直接エントリープラグ内で見たトウジは
自身の考えを改め、仲直りする事となったのだが、これが無ければ
未だにシンジを誤解し続けたままなのかもしれない。


「トウジの話を聞いてると、僕ってずいぶん可哀そうな気がするなぁ」

初期の頃ならともかく、今のシンジ自身にそれほどネガティブな感情は、ない。
母の墓前でした誓い以後、シンジは常に、前を向いて戦っている。




そうでなければ隔週1回必ず覗き行為など行えない。
今のシンジは、あらゆる意味で前向きだ。



「なぁ…そんなしんどい目ぇにおうても、今でもエヴァのパイロット
続けとるんは、なんでや?」


「大事にしたいものがあるから、
自分にしか、護れないものがあるから、僕は戦ってるんだと思う。」


トウジの問いにも、ハッキリとした答えを返すシンジ。
うまく話せないし、格好つけてるように聞こえるかもしれないけど。
そういって爽やかに笑うシンジは、悔しいほどに主人公している。

その答えを、じっと黙って聞いていたトウジ。
すこし、言葉を溜めて


「…ワシの妹な、今度別の病院に移れそうなんや。
もっと設備のエエ、しっかりしたトコに。」


「……ごめん。
僕さえ、あのときもっとしっかりしていれば……」



「もうエエて。
センセのせいやないんは、ワシもわかっとる。」

でも・・・と言葉を濁すシンジに、ホンマにエエんやて。と念を押すトウジ。
この半年間で、二人は充分に相手の事を理解できる親友となっている。
トウジの気遣いに、敏感になにかを察知するシンジ。


「もしかすると…妹さんのこと以外に、
なにか悩みでもあるんじゃないの?」



「いや、しょうもないことや。
センセと話しとるうちに、忘れてもうたわ」

悩んでいた事を否定せず、笑みで返すトウジ。
僕で相談にのれるなら、と心配げなシンジに、大丈夫や、と返すトウジは
何か、ふっきれた笑顔を浮かべていた。

その後所用が有るというシンジに、風に当たっていくと、校門で見送るトウジ。





「護らなあかんもんがあって、その力が手に入るんや。
ワシも、覚悟せなアカンな。」

シンジの背を見送りながら、トウジの呟いた言葉。
それはシンジに倣った、戦う覚悟だった。







「葛城三佐、出頭しました。」

NERV司令室、赤城リツコ博士と並んで出頭するミサトに、
何時もの如く読めない表情で、碇司令が衝撃的な言葉を放つ。


「エヴァンゲリオン参号機が、北米支部からNERV本部へ移管されることが決定した」




・・・エヴァ参号機。

ネルフ第2支部では、二体のエヴァを米国の威信を賭けて作成している。
だが、現在S2機関による四号機の起動実験すらままなっていない状況。

無能どもに2機あっても、扱いきれまいと嘲る碇司令に、
パイロットの問題を問う赤木博士。
5番目のパイロット・・・フィフスチルドレンの発見報告は、未だ成されてはいない。
だが、


「現在、手配中だ」

碇司令は、既にアテがある様子であった。
対象者の存在を今まで聞かされていなかった事に憤る赤城博士を
どうせすぐに判る、と一蹴し、参号機、そしてパイロット到着次第に
起動実験を行うと宣言する碇司令。


「パイロットのデータがなければ、
参号機の正確なセッティングは行えません!」


プライドを傷つけられた事が尾を引いて、ややヒステリックに反論する赤城博士。


「命令は以上だ。下がりたまえ」


「しかし、機体を開梱し、各部のチェックと調整だけでも、二週間は……!」


「リツコ!…葛城、赤木の両名、下がります」

感情的に訴える赤木博士を、慌てて抑えて退出するミサト。
普段の二人の立場が逆転するほど、赤城博士は取り乱していた。







「ミサト、どうしておとなしく引き下がるのよ」

憤り収まらず、ミサトにも食って掛かる赤城リツコ博士。

あの場で食い下がっても司令が話してくれる訳無いと諌めるミサトに、
参号機移管も、パイロットも急すぎると、納得出来ない様子の赤木博士。
今まで、NERVの全情報を掌握していると自負していただけに、
赤木博士の自尊心は大きく傷付けられている。

だが、それだけ今回の件は異例中の異例なのだ。
今までの動きとは、明らかに違う。違いすぎる。
ミサトまでならともかく、赤木博士にすら情報が渡っていなかった事が、
かえってミサトを冷静にさせていた。


「…しかたないわね。頼りたくはないんだけど、、
アイツの手を借りるか…」


普段なら、絶対に頼りたくは無い相手。
・・・だが、今回の異例な事態を調べる為には、こちらも異例な事態で対応せざるを得ない。

NERV本部内が、にわかに波乱の波を打ち始めていた。



育成開始!

ここで初公開、この育成日記における現時点でのシンジのパラメータ。





全パラメータでも
色気がTOPになりそうな勢い。
学力と、あと7しか差が無い。ムラムラしすぎ。
公正させるのは、もはや絶望的だ。

極端に低いのは肝心要のシンクロ率。
ヽ(`Д´)ノお、おまえ戦闘どうするんだよ!




明らかに、↑コレを投入しすぎてしまっている。
よく見ると、美少女グループの全編水着ビデオと書いてある。
全編、混じりッけなし!100パーセント水着だっっ!!
もう色んな意味で消費アイテムである。




今週から新学期。
シンジ育成も残すところあと1学期分だ。頑張るぞ!





ヽ(`Д´)ノって気合入れたそばから覗くなよ!
もうアスカの臀部は二桁は見てるんですけど。いい加減見飽きてください。




このだらしない顔さえなければ、熱い主人公なのだが…

育成期間は、特に目立ったイベントも発生せずに淡々と進む。
既にシナリオも終盤に入っているためか、個別イベントは(覗き以外)あまり発生しない。

…というか、プレイ全体を通して個別イベント数が少ない気がするのだが、
本当にコレ、ヒロインと仲良くなるゲームなのだろうか?

中盤以降、アスカだけでなく綾波も全然出番が無いんですけれど…






1月20日 土曜日





「松代……こんなところにも、NERVの基地があったんですね」


「本部では扱えない、大型の火器や爆発物の試験用設備よ」


週末、シンジは松代のNERV基地に訓練に訪れていた。
山奥深い中、突然の呼び出しに少しだけ不安げなシンジ。


「今回シンジ君に来てもらったのは、
参号機の起動テストに立ち会ってもらうため」



「! 参号機…ですか?」


「ええ。NERV北米支部から急遽移管されたの」

言葉に、わずかに苦いものを含ませるリツコ。


「準備を急ぎすぎなのが、少し不安ね。それに、パイロットは…」

ミサトも、いつもの豪快さは何処へやら、不安の色が隠せない。
そこに、参号機のパイロット…フィフスチルドレンが姿を現す。








「お、センセやないか」


ええ!?トウジ、何でここに!?
それにその格好…まさか」



「なんの因果か知らんけど、ワシもエヴァのパイロットに選ばれてもうてな…」

そう言ったトウジの表情は、普段どおりのあっけらかん。
迷いは、見えない。

基地係員に、起動実験がまもなくと呼び出されるトウジ。
また、あとでな。と軽く返して立ち去るトウジの背中で、
シンジは静かに、友達がエヴァのパイロットとされた事に憤っていた。

だが、憤りをぶつけようにも、ミサトもリツコも、このことを知ったのはごく最近。
しかも、今回が参号機、初の起動実験となる。
起動失敗程度ならともかく、暴走の危険も有ると示唆する赤木リツコ。
だが、無茶な起動実験と司令に進言したが、結局聞いてもらえずじまい。

暫くなりを潜めていた碇司令の冷淡かつ、横暴とも取れる指示。
その中でも、今回のケースは明らかに性急すぎるものである。


「…もし万が一の時、彼を救えるのは、シンジ君、あなたと初号機だけなの」

暴走の危険、それを止められるのは、シンジしかいない。
無論、暴走したエヴァを止めるのは、止める方も…止められる方も只では済まない。
その為の松代…本部を避けての起動実験である。


「…わかりました、そのときは僕が、トウジを助けます」

憤っている暇はない。
…目の前の親友を、決して死なせはしない。




漆黒のエヴァンゲリオン…参号機が、起動実験を開始する。

緊張するNERVオペレーター陣。
トウジも馴れない標準語で返事しながら、緊張を漂わせる。



「……シンクロ率、上がらないわね」

起動開始、A-10神経接続完了。
既にエヴァとパイロットのシンクロは始まっているのだが、シンクロ率は上がらないまま。
トウジの緊張が、エヴァとのシンクロ開始を妨げている様だった。


「無理に標準語を話そうとしてるからじゃない?」


「鈴原君、いつもどおりに話すようにしてちょうだい」


「なんや、標準語やないとアカンのかと思うてましたわ」


「本来なら、そうなんだけどね」


精神からとはいえ、言語から、プログラムへの命令を認識するエヴァンゲリオン。
今回はトウジのために、コアシステムに関西弁の差分パッチを用意していた。
伊吹マヤ嬢によって、関西弁対応となるエヴァ参号機。

とたんに、シンクロ率、上昇。起動準備開始。
そういうもんだったらしい。





「…ひとりでおると、なんや、いろいろと思い出してしまうな」

エヴァ参号機の中、物思いに耽るトウジ。


「…ケンスケ、今どこでなにしとるんやろ。
…委員長、ワシがパイロットになった言うたら、どないな顔するかな。」

「オカンがおらんなって…オトンもオジイも家に寄りつかんなって、
ワシにはあいつしか、妹しかおれへん思てた」

「エヴァを初めて見たんは、あいつが怪我したとき……
あんときやったなぁ」

あれから半年以上。
未だ入院生活を続ける妹が、当時どれほどの大怪我を負ったか、
それを目の当たりにしたトウジの心の傷は幾許ばかりか。
エヴァを憎んだトウジの心中は、察して余りある。

だが、そのトウジが、今はエヴァに乗っている。


「妹を怪我させたエヴァに…妹を治すために乗るっちゅうのは、
なんや、おかしないか…?」

トウジの、迷い。

その迷いが、ネガティブな方へ、闇の方へ傾く。
心が、迷いによって暗く、深い闇の方に傾く。



「この世界じたいが、オカシイんかもしれん。
そしたら 全部 壊し て し もた 方が…」

ハッとするトウジ。険しい表情。
ワシ、アホちゃうか・・・と自身を戒めようとした、その時。





「な、なんや!?」

トウジの迷いに呼応するかのように、エヴァ参号機がガタガタと震える。
精神パルスに、異常。神経パルスからの逆流…

エヴァの中の意志が、トウジに、流れ込む!


「なんや・・・うわ!こっち来んな、来んなあーーっ!」

トウジの叫び。エントリープラグ強制射出も全く受け付けない。
慌しくなる施設内部。暴走は、時間の問題…!?

シンジを呼び出して、とミサトが指示した時、
トウジの雄叫びとともに参号機の拘束具が、外れる。

参号機----暴走

EpisodeⅩⅨ 戦う理由②
by 1601109 | 2007-08-22 00:00 | シンジ育成プレイ記