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EpisodeⅩⅤ 新たなる決意

EpisodeⅩⅣ 文化の祭典

EpisodeⅩⅤ たなる決意




「ゴメン、ゴメン。ちょっち仕事が重なっちゃって」

NERV訓練施設。赤木博士の待つ施設へ、息を切らせて駆けつけてくるミサト。
赤木博士の表情は変わらない。


「それで、相互互換試験の方は、どうなってるの?」


「零号機、および初号機はそれぞれパイロットを入れ替えての
起動実験に成功」


「初号機パイロットは、弐号機の起動にも成功しました」

エヴァンゲリオンは、パイロットに波長を合わせるため
原則、1機毎に専属パイロットとして機上する。

だが、緊急時はその限りでは無い。
今回の実験で初歩的ながらもパイロットが他のエヴァを起動できたのは
NERVにとっても大きな成果といえる。
特にシンジの全機起動成功は心強い結果といえるだろう。
ミサト、赤城博士がシンジを手放しで賞賛する。


「弐号機パイロットによる、初号機の起動実験、準備完了しました」

続いてアスカの順番。
オペレーターの指示により、アスカのエントリープラグが注水される。


「A-10神経、接続を開始」

起動実験が開始される。

だが




「・・・シンクロ率、上昇せず」


シンクロ率 ----- 0%。

ミサト、周囲のオペレーターが息を飲む。
今までの起動実験とは明らかに違う。全くパイロットを認識しない。



「どうしてよ!?あたしの弐号機はシンジに起動できたのに
なんで初号機は動かないのよ!」


プライドを傷付けられ、エントリープラグの中で咆哮するアスカ。
ただ一人、その結果になんの反応も示さなかった赤城博士により、失敗と終了が告げられる。
納得がいかない!もう1回やらせてよ、と必死に食い下がるアスカだったが、
ミサトの厳命により、半ば強引に機体から降ろされる。


「わかったわよ!降りてやるわよ、こんなムナクソ悪い機体!」


「・・・・・・これが原因で、またシンジ君とケンカしなきゃいいけど」


「子供の面倒をみるのも大変ね」

相変わらず他人事口調の赤木博士にムッとしつつ、今回の原因を問うミサト。
パイロットの能力差はともかく、何故こうも順応性に差が生じるのか。

赤木博士は「車の相性と一緒よ」などとはぐらかしていたが、ミサトは納得いかないままだった。



育成開始。



日曜日に行う「プライベート」では「ミサトの仕事」「買い物」「部屋の掃除」の
いずれかを行う事が出来る。

そのうち「部屋の掃除」は、見た目に部屋が汚れたときに掃除しないと
シンジのストレスが増加するため適度に必要だが、シンジが
尋常じゃない数の掃除用洗剤を抱えているお陰か、部屋はさほど汚れない。
1ヶ月から2ヶ月に一度掃除すれば十分である。

「買い物」はご存知の通り買えるものが無い。
たまに街に繰り出して洗剤やアイドルビデオを数十本単位で借りるくらいで
これもさほど必要なコマンドでもない。

必然的に、ミサトに仕事をやらせる以外に選択肢が無いのだが、
いつのまにやら仕事進捗がMAXになってしまった様子。
第3新東京市の防衛システムは極限まで高められ、
何時の間にやら支援攻撃でいつでも地球破壊ばくだんN2爆雷を投下出来る様になった。



阿鼻叫喚の第3新東京市が目に浮かぶ。
ちょっとしたアメ○カ合衆国大統領の気分だ。

この支援攻撃は街中でしか使用できないのだが、街中の使徒に
こんな物騒な兵器をバカスカ使って、本当に防衛になるのだろうか?

ある意味、次回の市街戦闘が見ものである。

・・・あと、次週の日曜日から、どうしようか・・・
買い物しようにも、もう店舗の半分は瓦礫になってるんですけど・・・








ーーーーーー墓前。


「母さん、来たよ。
あのときは・・・・・・思わず逃げ出して、ゴメンね」


母の墓前の前、一人立つシンジ。

エヴァのパイロットになった。
ミサト、綾波、アスカと出会い、少しだけ、自分と向かい合えるようになった。
今までの生活を、心境を、母に語りかけるシンジ。


「こうして謝れるのも、今だからかもしれない。
父さんと話すのは・・・・・・まだちょっと、苦手だけど」


「・・・でも、父さんは僕を嫌ってるんじゃないって、
思えるようになってきたんだ」


シンジの中に、大きな、とても大きな心境の変化が。
嫌悪し、恐れ、避け続けてきた父、碇ゲンドウの存在。
だが、これまでの生活の中で二人の関係は、少しずつだがその溝を埋めている。
恐れや嫌悪以外の何かが、シンジの中に芽生えつつある。


シンジは、変わりつつある。

----そして、それを取り巻く環境も。




「母さん、正直僕には、今背負っている力は少し荷が重い気がする。
でも・・・・・・それでも、がんばっていこうとおもう」

「僕と母さん、そして父さんみたいな悲しい事は、誰にも繰り返してほしくないんだ。
だから・・・・・・」


真剣なーーー、覚悟の篭った、シンジのまなざし。
それは、此処に訪れたばかりのシンジにはなかった、男の表情。


「また来るよ、母さん。---できたら、今度は父さんと」


否。

シンジは、変わった。変わったのだ。
色気ばかりではなかったのだ。

母の墓前の前、シンジの新たなる決意。
このゲームをプレイ記に選んで良かった、と心底思えた瞬間であった。
間違っても
コッチじゃなくてよかった。本当に良かった・・・




「ただいま・・・・・・うん・・・・・・なんだろう?
なんだか、なつかしい感じの匂いがする」


墓前から帰宅し、入り口になにかの匂いを感じるシンジ。

玄関まで出迎えるミサト。お母さんには色々話してきた?という問いに
シンジははっきりした声で、「はい」と返事した。


「さ、あがった、あがった!ご馳走がまってるわよん。
久々に腕を振るったんだから!






凍りつくシンジ。これが現実というものか。

恐る恐る食卓に挑むシンジ。
目の前には、見た目美味しそうなトンカツ。豆腐に煮物などが添えられた、バランスの良い和食膳。
やればできるじゃないですか!とシンジも嬉しそうだ。


「ここはシンジ君の家でもあるんだから、
ウチの味ってのを、味わってほしかったのよ!」



「そうですね・・・
あれ?そういえば、アスカはどこです?」



「さあ・・・・・・私が料理してるのを見て「ゲッ!」とかいって出てったけど。
・・・・・・あらシンちゃん、顔色悪いわよ?」











これが現実か。

匂いと見た目がいいんだから、と自分を言い聞かせるシンジだが、





彼の護身は発動しなかった。合唱。


「どうしたの?ますます顔色が悪くなったわね」

シリアスな話の後に腰砕けなギャグで落す本作。
この辺のベタな王道路線が、むしろ本作の真骨頂ともいえそうだ。








「ふぅ、今日はここまでにしましょ。
シンジ君は上達が早いから、教える事なんてすぐになくなっちゃいそう」


部活動での霧島さんのアプローチ。
メインヒロインがまるで動きが無いので鬼の居ぬ間に攻勢だ。
相変わらず、だらしない顔でありがとうと返すシンジ。

いつもより早めに帰宅しようとする霧島マナ嬢に、何か用事なのと問うシンジ。
今日は母が入院している病院に寄っていこうと思ったから、と
自らの境遇を少し明かす霧島さん。当然下心丸出し優しいシンジはほっとけない。


「僕も・・・・・・お見舞いにいっていいかな」

その言葉に嬉しそうに喜ぶ霧島さん。だが母を気遣って、今回は見送る事に。
色気が上がるが、以前ほどに大きくは伸びない。
最近のイベントは全般的に小粒で、盛り上がる内容じゃないのが残念だ。

まぁ、そんな小粒なイベントですら未だに発生しないヒロインも(略

・・・そろそろアスカと唯一合同でプログラムが組める知能強化がパラメータMAXになる。
アスカと会わなくなる日のカウントダウンが、静かに始まっていた。




さ、さすがにそれはマズ過ぎるか。

ここは、なんとしてもアスカのイベントを発生させなければ!
しかし、かなりスケジュールをアスカ寄りに併せているにも関わらず
まるでイベントが発生する様子が無い。

となれば、もはや方法はアレしかないっ!!

シンジ、アダルトモォーーーードッ!

アイドルビデオ、注入ッ!















結果。




浴室覗き、発動!!



「フンフ♪フンフ♪フーン~」


「(あはぁ・・・・・・)」

ってやっぱり有ったぁーーーーーっ!
そして覗いたぁーーーーっ!

そ、その息づかいは完全に変質者のノリだぞシンジ!



「うん?誰・・・・・・って・・・・・・シンジぃ!?
きゃああああ!バカ!エッチ!変態!


一切の弁明も効かず、そのとおりっ!

アスカの臀部をしっかり目に焼き付けたシンジは、






「の、覗こうと思ったんじゃなくて、
忘れ物を取りに来ただけで・・・・・・」


苦しいぃーーーっ!
果てしなく苦しいぃーーーー!

その後、ミサトに「悪気が有った訳では・・・」と
母の墓前での男らしさは微塵も感じさせない情けない言い訳っぷりを発揮するシンジ。
それに対し、自分が覗かれたときと全く同じセリフを使いまわすミサト。



なお、覗かれた割にアスカの反撃とかは無かった。
こりゃまた同じ事を繰り返すぞ、シンジのヤツ・・・



郊外。偶然ふらりと立ち寄ったそこに、加持が一人
じょうろを片手に立っていた。






「よう、シンジ君。」


「加持さん・・・・・・こんなところで、何をしてるんです?
ジョーロなんか持って・・・・・・」


郊外の森林そば、加持はひとり土いじりに精をだしていた。
畑を作り、スイカを育てているらしい。
実ったら、やるよ。と加持は爽やかに答えた。

組織として、色々なしがらみを抱えるNERVでの業務。
無機質な地下の仕事の最中、加持は自然を懐かしみ、何時しか土いじりが趣味に変わっていた。



「何か浮かない顔をしているじゃないか」

シンジの表情に何かを感じ取り、質問を返す加持。
ちょっと話をしようじゃないか、とベンチに腰掛ける二人。


「・・・昔、ひとりのストリート・チルドレンがいた。
セカンド・インパクトで親を亡くした子供だ」

不意に語られる昔話。
大災害で親を失った子供。混乱する世界に、弱者に手を差し伸べる者はいない。
生きる為に、子供達は自力でその糧をえるしかなかった。
仲間達と命がけで、軍の食料庫を荒らす日々。

だが、所詮は子供の自力。ある日一人の子供が捕われの身となる。
軍属の人間に仕置きされ、苦痛のあまり仲間の居場所を漏らしてしまう。
その後の仲間達の運命は、もはや言うに及ばない。

シンジが息を呑む。その子供とは、まさか・・・


「・・・その子も、もう大人になった。だけど今でも、その事を悪夢に見る。
そして後悔して、贖罪の道を探してるのさ」


「・・・どうして、それを僕に?」


「どうしてかな?・・・シンジ君が、重い荷物を
背負っているように見えたからかもな」

シンジは、答えない。
加持の発言に、そうなのか、違うのか、自分でもはっきりとしないのだろう。
加持も、気のせいかもしれない、誰かに話したかっただけかもしれない、と
確信のないまま話したことを正直に伝える。



「君は今、幸せだと思うかい?」

加持の、問い。・・・深い、問い。
だが、シンジはその問いに、即答で返した。


「・・・・・・はい。たぶん、ですけど。

ミサトさんが一緒に暮らしてて、綾波がいて、アスカとケンカして。
ケンスケやトウジと、馬鹿なことを言い合って、委員長にしかられて。

リツコサンやマヤさん、サツキさんにアオイさんにカエデさん、
青葉さんや日向さんも、みんな良くしてくれる。」



「おいおい、俺はなしかい?」


「もちろん、加持さんもです!
冬月さんや父さんは、ちょっと厳しいけど・・・
・・・でも。好きになってきました。」



「そうだな。シンジ君は、幸福とはなにかを、良く知っているよ。」


「・・・加持さん?」

加持の、淋しい微笑み。・・・自嘲気味の、笑み。
自分と同じ匂いのしたこの子供は、この数ヶ月で、すっかり逞しく成長している。
強い子だ。そして・・・・・・強い男だ。


「何が幸せなのか知らないものには、それを守る事は出来ないんだ。
・・・俺は結局、知る事が出来なかった。」

自嘲気味の発言だが、加持はいろんなものを悟っている様だった。
ミサトと付き合っていた日々も寄り添っていただけ。
そして、そこからも背を向けてしまった自分。
そして、シンジはもう、自分とは、違う。


「俺があのとき手放してしまったもの、その全てが、今の君にはある。
・・・だから、葛城を頼むよ」


「はい・・・僕に、出来ることなら」


「きみにしか、できないことさ」

加持の言葉は、懇願ともとれそうな、重い響き。
二人の交わした約束。・・・それは、二人だけの、男の約束。


◆今回の、当ゲームお奨めポイント◆

途中のアダルトモードを発動させなければ、
基本的には物凄くシリアス、かつ熱い話。

原作には有り得ない前向きなシンジの決意は本作でも1,2を争う見せ場である。
主人公の王道路線を走るシンジは、正直、熱い。

だがそれ以上に、シンジがアスカの浴室を覗いたときの息遣いは熱かった。
声優さん、演技が迫真に迫りすぎ。




・・・・・・


(うぷぷっ!ヒロインのクセに二話連続でセリフ1つすら出番なしだなんて!)


・・・・・・・・・(ばきっ!)


痛っ!無言で殴らないでくだ痛っ!痛い!



EpisodeⅩⅥ ふたりのハッピーバースディ

by 1601109 | 2007-08-18 00:00 | シンジ育成プレイ記


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